三井不動産リアルティ、20年度下期はリテール過去最高 ー仲介収益、9.7%減まで回復

 三井不動産リアルティの21年3月期決算は、営業収益が前期比8・5%減の1623億1300万円、営業利益が56・7%減の92億9000万円となった。部門別の収益は仲介が9・7%減の767億7100万円、リパークが7・6%減の834億6200万円。仲介事業のうちリテールは緊急事態宣言下の4、5月に店舗を閉鎖した影響で上期は大幅な減収となったが、下期は首都圏中心の力強い買い需要で契約ベース、引き渡しベースともに過去最高の売上高となった。法人仲介も下期は契約ベースで過去最高を更新した。

 仲介の取扱件数は10・1%減の3万8507件、取扱高は12・4%減の1兆5638億9100万円だった。リテールは昨夏以降、買いの需要が強く依頼数は前年比2割増で推移。18日の決算説明会で大下克己副社長は「コロナ禍をきっかけに賃貸から購入へ動いた層が一定数いる」とした。テレワークの普及により、木造アパートの賃貸から中古戸建て購入への動きがみられ、千葉県の沿岸部や神奈川県の湘南エリアの戸建てが好調だったという。

 売り物件の減少は続き、個人からの売却依頼は前年の8割強で推移。昨秋から冬にかけ回復傾向がみられほぼ前年並みまで戻したが、年明けの緊急事態宣言で回復基調が途切れた。60歳以上の売主に限ると前年比で約4割減となり、ライフスタイルの変化などで必要に迫られた顧客以外は売却のタイミングを計っている状況だ。物件価格は「価格が上がっているのではなく、高額帯の物件がよく動いており、平均の成約単価が上昇している」(大下副社長)とし、都心高額帯を専門に扱うリアルプランでは、足元の4月の取扱単価は19年比で3、4割上昇しているという。(日刊不動産経済通信)

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