東京23区の管理適正化推進計画の策定状況 ー今年度に策定検討は区、認定制度の事務負担軽減など要望
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改正マンション管理適正化法により、自治体独自のマンション施策となるマンション管理適 正化推進計画(以下、推進計画)の策定が規定される。改正法の施行が見込まれる2022年 4月に推進計画を運用するには2021年度での検討が必要となる中、不動産経済研究所では マンションが多く立地する東京 区を対象にアンケート調査を実施。今年度の策定に向けた検 討状況をアンケート調査した。 

 調査は4月中旬に行い、23全ての区から回答を得た。まず、今年度にマンション管理適正化推進計画を検討するか聞いたところ、「策定する方向で検討する」とした回答は13区だった。「策定するかどうかも含め検討する」とした回答は8区、「検討しない」は2区。策定する方向と回答した区や策定するかを含めて検討とした区では、国の定める基本方針や管理計画認定制度の認定基準の公表を踏まえて検討する姿勢が目立つ。これらがパブリックコメントを経て成案化される6月以降に検討を本格化させたい様子もみられている。検討しないとした2区は、台東区では「2024年度の住宅マスタープラン改定に合わせて検討する」、葛飾区は「今後の検討としていく」とし、区の施策に応じて検討する姿勢を示している。

 23区では、豊島区、墨田区、板橋区で独自に条例を定めて管理状況の把握などを実施している。このうち板橋区は「区条例の内容と推進計画との関連付けや、条例で定めている事項を推進計画にも盛り込む方向で検討したい」と、条例の主旨を最大限反映させるようにしていく考えをみせている。墨田区は「計画に盛り込む内容は現段階で未定だが、国や都による制度の運用を見極めながら詳細を検討したい」としている。

 一方、マンションの管理状況などが一定の水準にあるマンションを認定することができる管理計画認定制度について、その導入を検討するか聞いたところ、今年度に推進計画の策定を検討しない2区を除いた21区すべてが導入を「検討する」と答えた。同制度は、推進計画を策定する自治体が任意で実施できると規定しており、推進計画を運用する際には認定制度も合わせて運用する考えが大勢を占めた。

認定制度のメリット、明確化求める

 調査ではこのほか、推進計画の策定や運用する際の課題についても聞いた。その中では、管理計画認定制度の認定事務に対する負担増を懸念する声が多く寄せられ、「東京都のマンション管理条例の届出に関する事務も区で行っており、そこに改正法の認定事務が重なる」など、マンパワーのサポートや財政面での支援を国に求める意見も目立った。電子申請システムの構築など認定作業の効率化を求める要望も複数挙げられたほか、認定する際の明確な判断基準と運用するための人材育成が必要とする意見、認定制度の導入での手数料の取扱いを懸念する声も寄せられた。

 さらに、認定制度の実施によるメリットの明確化を求める意見も根強い。「マンション側のメリットの明確化が必要」「現段階では、推進計画や認定制度の区分所有者・管理組合に対するメリットが見えない」「管理組合が認定制度を受けるメリットに関する情報を早く、タイムリーに提供してほしい」など、認定制度を区が周知するためにも必要な情報を共有したい考えがみられる。また、「税制上のインセンティブを設けてほしい」と、認定制度を運用する上での具体的なメリットについて指摘する意見もあった。

 それでも「区内すべての分譲マンションが、認定制度で認定される管理水準となるような支援施策を検討していきたい」と、制度の運用で管理水準の引き上げに意欲を見せる区もある。ほかにも「施行後の支援策も明確にしてほしい」「全マンションの実態調査を行ってほしい」など、改正法の施行を契機に新たな施策の展開につなげたいとする意見も目立った。

2021/5/5 月刊マンションタイムズ

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