赤羽一嘉・国土交通大臣は14日の定例会見で、木材の価格高騰、いわゆる「ウッドショック」について言及した。「工事の遅れや木材調達の状況について把握していく。工務店や住宅メーカーとの意見交換の場を設けるとともに、国産材の利用促進などの検討を要請した」と述べた。
コロナ禍で住宅需要が増した米国での住宅着工戸数急増、中国での木材需要の増大、世界的なコンテナ不足による運送コスト増などで、輸入木材の価格が高騰。その影響で国産材の価格も上昇している。大臣要請を受け、住宅生産団体連合会をはじめとする住宅・工務店系団体による意見交換会が4月に開かれた。
価格上昇の実感は業界全体で共通するものの、問屋からの仕入れのみに依存する中小工務店・大工に対する影響は特に大きい。また、木材の流通まで押さえている大手ハウスメーカーのなかでも、木造住宅の取扱割合で影響の大きさは異なる。こうした状況から、意見交換会にオブザーバーとして参加していた国交省は、さらなる実態把握のためアンケートを実施した。現在集計中で近く結果を公表する予定。住宅業界がどの程度の割合で木材仕入れで厳しい状況にあるのか明らかにする。同時に国交省は、住宅業界に対して、国産材の長期調達に向けた協定や契約を林業事業者・製材事業者と交わすよう働きかけていく。
ウッドショックは、日本が木材調達の国際競争で買い負けている状況を明らかにした。国産材を増やすためには、林業事業者や製材事業者には設備投資や人材確保が課題になる。長期的かつ安定的な国産材確保にはこうした課題のクリアが求められる。(日刊不動産経済通信)