大京の深谷敏成社長は17日、会見を行い、社長を兼務するオリックス不動産とともにオリックスグループの不動産セグメントの強化を一体的に進めながら、大京の強化を目指す事業戦略を語った。住宅事業を柱としてきた大京と子会社各社が持つ専門的な知見を基礎に置きながら、「都心部の大規模タワーマンション事業に長期的な視点で取り組みを始める」ことや「新築の全物件をゼッチ・オリエンテッド基準を満たす住宅とする」ことを新たな挑戦として盛り込み、持続的な成長を目指す。
主力の分譲マンション事業については、「戸数目標は置かず、大京と穴吹工務店を合わせて年間2500戸程度を安定的に供給できる規模へ拡大する。三大都市圏や地方中核都市を事業エリアとして展開する」とした。これまで住宅地のファミリータイプを中心としてきた戦略から、規模拡大を図って都心の大規模な再開発タワーマンションなど新たな取り組みを始める。販売に関しては、「コロナ禍でも契約の歩留まりが高く順調に進んだ。マーケットの相場に捉われ過ぎず、付加価値を訴求していく」と話す。
今後の商品企画では、「環境負荷低減に顧客の意識が高まり始めている。開発する全新築物件でゼッチ・マンション・オリエンテッドの基準を満たすことが目標」とし、20件超のゼッチ物件を開発する大京の特徴を伸ばす。 オリックスグループの不動産セグメントとして、情報共有や人材の交流などの面で一体化を進めながら、「管理・流通・修繕工事など各分野で大京の子会社は業界トップの実績がある。大きく括れば、実需の不動産事業を中心としている大京の強みを今後も独立して伸ばしていきたい」と抱負を述べた。(日刊不動産経済通信)