住宅政策の今後の大きな指針となる住生活基本計画(全国計画)が、3月中旬に閣議決定される。国土交通省は2月26日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会を開き、閣議決定前最終となる次期計画の仕上げを行った。19年夏から1年半にわたる議論を経た次期計画には、新型コロナウイルスの流行を機とする社会の大きな変化が反映された。
次期計画は、①社会環境の変化の視点(目標=新たな日常、DXの推進等)②居住者・コミュニティの視点(同=子どもを産み育てやすい住まい、高齢者が安心して暮らせるコミュニティ等、セーフティネット機能の整備)③住宅ストック・産業の視点(同=住宅循環システムの構築等、空き家の管理・除却・利活用、住生活産業の発展)―の、3つの視点と8つの目標で構成される。目標には目指すべき成果指標も設ける。
成果指標は全部で16項目。このうち、新規指標は8項目ある。新指標には、住宅の設計から建築、維持・管理に至る全段階でのDXを推進するため、「DX推進計画を策定し、実行した大手住宅事業者の割合=20年0%→25年100%」が入った。昨今の水災害の頻発・激甚化に対応するため「地域防災計画等に基づき、ハード・ソフト合わせて住まいの出水対策に取り組む市区町村の割合=20年0→25年5割」も新たに加わった。民間賃貸住宅の質を重視し、「民間賃貸住宅のうち、一定の断熱性能を有し遮音対策が講じられた住宅の割合=18年約1割→30年2割」も掲げられた。
次期計画は、近く中井検裕・分科会長が社会資本整備審議会長に報告を行い、政府内調整を経て閣議決定される。(日刊不動産経済通信)
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