三井不動産は、新型コロナ感染症の影響によるEC市場の拡大を踏まえ、物流施設の開発・運営事業を一段と拡大する。新たに7物件の開発を決定。多様なニーズに対応する観点から、今後は省人化につながる「機械化倉庫」やデータセンター、冷凍・冷蔵倉庫などにも取り組み、事業規模だけではなく、領域も広げていく。
新規開発を決めたのは、「三井不動産ロジスティクスパーク東名綾瀬」(神奈川県綾瀬市、22年6月竣工予定)「(仮称)粕屋町物流施設計画」(福岡県糟屋郡、22年9月竣工予定)など7施設。「東名綾瀬」や「粕屋町」はともに他社との共同事業。用地取得競争が激化する中、「工場跡地などを活用したい土地所有者との共同事業スキームを進めたい」(三木孝行・常務執行役員ロジスティクス本部長)考えだ。年間5件程度だった開発ペースはデータセンターなど領域の拡大も含め、年間6~8物件に拡大していく。
事業領域の拡大の一つとして「デジタル倉庫」では、広角レンズカメラやビーコン、顔認証システムをサービスとして提供。人や機械の動きを把握しやすくし業務の効率化につなげる。省人化に向けては、三井不動産自らがロボットを結集した先進的オートメーション倉庫を作り、課金制で貸し出す構想も練る。物流用途だけでなく、オフィスやショールーム、産業施設など幅広い用途にも対応可能な「ミクスト産業施設」も積極的に展開していく。
さらに、コロナの影響で市場拡大が見込まれる食品類ECに対応するため冷凍・冷蔵倉庫も現在の2棟から拡大していく考え。一層需要が高まっているラストワンマイルに対応するアーバン型配送拠点を増やす。(日刊不動産経済通信)