玄海キャピタルマネジメント(GCM、福岡市)はインドで4件目となる分譲住宅開発事業への投資をこのほど実行した。一昨年に自社で組成した第1号ファンドを通じ、チェンナイ市の大規模集合住宅を対象とする担保付社債に出資した。出資金額は公表していない。コロナ禍だがインド経済には回復の兆しがみえつつあるとして、GCMは現地企業と組み住宅開発案件への投資を続ける方針だ。
GCMが今回出資したのは地元デベロッパーのジェイン・ハウジングがチェンナイ市南東部で手掛ける「Inseli Park」開発プロジェクト。総戸数808戸のアフォーダブル(低所得層向け)住宅を供給する。開発地周辺にはIT企業らのビジネス街や大規模な病院、研究所などがあり将来の発展が見込まれる。
全808戸のうち、1月時点で6割強となる528戸が成約・入居済み。残り280戸の竣工済み在庫が今回の投資対象だ。GCMはこれまでにインド南部で3件の住宅開発に出資した実績があるが、一部の販売在庫を投資対象とするのは初めてという。
インドの新型コロナ感染者数は米国に次いで世界で2番目に多いが、感染率は昨年9月をピークに大幅に下降している。GCM海外事業部のシャイ・グリーンバーグ・シニア・ヴァイス・プレジデントは「コロナ禍にあって現地ではマンションがよく売れている。一方で地元のデベロッパーは建設資金の調達に苦慮しており、ビジネスチャンスが拡大している」と話す。グリーンバーグ氏によると、所得税率引き下げなど政府の特例措置も奏功し、地域経済は回復しつつあるという。(日刊不動産経済通信)
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