東京建物など3社、オフィス空調をAIで制御―実証実験で消費エネルギーを5割削減

 東京建物、TOKAIコミュニケーションズ、内田洋行の3社は、オフィスの空調をAIで制御する実証実験を実施し、温度ムラの解消と約5割の消費エネルギーを削減した。
 実証実験を行ったのは、東京建物のビル事業本部がある東京建物八重洲ビル(東京・中央区)7階。オフィスビルで採用していることが多い個別空調では、ゾーンごとに空調機が設置され、それぞれを好みの温度に設定できる。ただ、在宅勤務やテレワークの進展、フリーアドレスの導入が最近進んだことで、ゾーンごとの滞在人数やパソコンの稼働熱量が従来と比べ変化が大きくなっている。このため手動による空調温度設定では変化するオフィスニーズに追い付かない。加えて、各空調機をトータルで管理せず、異なる設定温度を維持しようとすると相反する運転となり、空調費用が増加してしまうといった課題が生じていた。
 実証実験では、同フロアに65個の無線センターを設置し、収集したデータを基に、事前学習を行ったAIが39台の空調機を制御した結果、夏期と秋期の温度ムラが解消。10~11月の秋期では、他のフロアと比べて消費エネルギーを50%程度抑制することができた。早朝以外は暖房を使わずほとんどの時間を冷房モードのみで24~28度の目標温度帯を維持したという。一方、人が操作した場合、熱く感じたワーカーが温度設定を下げたケースでは、長時間にわたり目標温度帯から外れたままだった。
 今後は冬期から春期における実証実験の実施やオフィスの人口密度などの要素が変わった場合でも、同様の効果が得られるかを検証する。(日刊不動産経済通信)

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