投資市場は厚いイールドギャップで堅調―三菱UFJ信、ホテルが成長の見込み

(提供:日刊不動産経済通信)三菱UFJ信託銀行は、日本の不動産市場の潤沢なイールドギャップが、金利上昇局面の24年も一定程度維持されると見込むレポートを公表した。アメリカを始め世界の不動産投資の主要国と比べた際に、日本の不動産におけるイールドギャップの厚みが際立つ状況は、一定程度続くと予測した。不動産コンサルティング部ジュニアフェローの舩窪芳和氏は、24年の投資マーケットの見通しを、「成長市場のホテル、安定性ある賃貸住宅、開発案件を除いた物流施設を中心に、堅調な売買ニーズが続く」と語った。

 レポートでは、キャップレートの基本公式に加えて、日本に対する最大のインバウンド投資を行うアメリカとのイールドギャップの差を加えたモデルを当てはめて分析を実施。23年の第3四半期(7~9月期)時点では、日本の不動産について0・24%のキャップレート低下効果があったと推定している。これまでは、長期金利とキャップレートの相関関係は強くみられたが、22年以降はキャップレートが低下傾向で、実績値と推計値の差が拡大。この差を埋める要素の1つが、日本のイールドギャップの相対的な厚さだとした。

 今後について、4月にマイナス金利政策を解除するという金融政策の変更するという三菱UFJ銀行の予想に基づくと舩窪氏は、「金融政策の変更を予測に過度に織り込まれた場合は、物件価格の目線が合わず、件数が減る可能性はある」とみている。海外投資家からのニーズは引き続きあるようだ。24年の投資市場におけるJリートについて、「投資口価格が伸びておらず、現時点では投資市場の牽引は難しいが、通年では価格が戻ってくるという声もある」(舩窪氏)として、投資市場全体では堅調の見立てを話す。

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