金融庁が2021事務年度金融行政方針を発表ー力強い経済回復を後押し

 

 金融庁は「2021事務年度金融行政方針」をまとめた。長期化している新型コロナウイルス感染症の影響を、金融仲介機能を発揮することで支えぬく方針を行政として示した。さらに、ポストコロナを見据え、金融機関等による事業者の経営改善·事業再生·事業転換等を促すとともに、国内外の資金の好循環を実現する金融システム構築を目指す。また、「金融育成庁」として組織の力を高めていくため、データ分析の高度化等を通じたモニタリング能力の向上、専門人材の育成などを行っていく。

 金融庁は、ワクチン接種の進捗等により経済活動が徐々に活性化していく見通しはあるものの、地域·業種の特性を勘案した資金繰り支援や経営改善の取組み等を進めていくことが必要だとの認識を示した。このため、地域に根差した金融機関、信用保証協会等の関係者と協議の上、都道府県ごとに事業者支援に当たっての対応策を共有する事業者支援体制構築プロジェクトを推進する。

 一方、世界的な金融緩和が継続するなか、企業等の債務が増加しており、今後は与信費用の発生といったリスクの顕在化が金融システムに与える影響を的確に把握することを重視する。特に、貸出が集中している業種·事業者の実態把握を行い、個々の金融機関のリスク管理体制等を横断的に把握·検証する取組みを強化する。

 長引くコロナ禍は、金融分野を含む社会全体のデジタル化促進など、社会構造の変化を加速させている。こうした変化を成長の好機と捉え、国内外の資金の好循環および、金融サービスの活発な創出を生み出す金融システムの実現を目指す。そのため、金融分野におけるデジタル·イノベーションを一層推進する。具体的には、各国中央銀行において研究開発が進められている中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、財務省と連携しつつ概念実証を進めていく。その他、決済インフラの高度化および金融業務の電子化を推し進めるため、金融EDIの利活用促進や、手形·小切手機能の全面電子化に向けた計画を後押ししていく。

 また、国際金融センターとしての地位確立を目指し、金融庁は拠点開設サポートオフィスを設置するなど、海外資産運用業者等の参入促進に取り組んできた。この取組みを拡大し、顧客対応を英語で行う外国証券会社·外国銀行も対象に含めて体制構築を進める。さらに、国内外で投資家の注目が集まるESG投資に資する判断を容易かつ正確に行える環境を整えるため、グリーン国際金融センターの実現に向けて、情報プラットフォームの整備や評価手法に関するガバナンスの確保などを行う。

 金融庁の改革としては、金融市場を詳細に把握するためデータ分析の高度化に取組むとともに、検査等に当たっては新たなモニタリングスタイルであるリモート手法を柔軟に活用する。金融行政を担う専門人材を中長期的な視点で育成し、分野横断的なデータサイエンススキル向上に取組む。意思決定の過程には、データに基づく分析を取入れ、組織としての力を高めていく。

2021/9/15 不動産経済ファンドレビュー

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