(提供:日刊不動産経済通信)アルヒが発表した24年3月期第2四半期(2Q)連結決算は、営業収益88億7000万円(前年同期比24・9%減)、四半期利益5億1900万円(70・5%減)と減収減益となった。一方、8月21日から取り扱う変動金利型住宅ローン商品「ARUHI住宅ローン(MG保証)ユアセレクト」が好調。3Q以降の融資実行件数と収益への貢献で2Qまでの計画未達から盛り返し、通期で営業収益210億円(7・1%減)、当期利益20億5000万円(26・8%減)とする期初計画の達成を見込む。勝屋敏彦社長は決算説明会で「変動金利商品を拡充して固定金利商品との両輪で、外部環境に左右されない体制を築く」と語った。
上期の融資実行業務は前年同期に比べて34・6%減少した。ただし、融資実行件数については変動金利商品が好調で2Qは1Qを上回った。前四半期を上回るのは3年ぶり。下期は、変動金利商品の増加で、前期並みの水準まで融資実行件数の回復を見込む。直近の実行件数に占める割合は、固定金利が前年より減少して5割。変動金利は新商品の「ユアセレクト」に加えてネット銀行の銀行代理なども増加して5割だった。今後は、変動金利商品について住信SBIネット銀行の銀行代理の取り扱いを再開するほか、SBI新生銀行と共同開発する第2弾商品の取り扱いも始める。また、SBIエステートファイナンスの完全子会社化で、双方の営業網を活用した収益拡大・多様化も図る。
勝屋社長は「8月21日の『ユアセレクト』の取り扱い開始後、全国のフランチャイズ店舗でも幸先よく好調だった。フラット35市場の縮小と連動した業績悪化も底打ち感があり、今後はV字回復するビジョンを描いている」と展望した。