(提供:日刊不動産経済通信)シービーアールイー(CBRE)は、日本における23年第3四半期(3Q、7~9月期)の事業用不動産への投資動向をまとめた。3Qの総投資額は9450億円(前年同期比9%減)だった。内訳は、Jリートによる投資額が2870億円(137%増)、Jリートを除く国内投資家は5210億円(144%増)、海外投資家では1370億円(81%減)だった。
アセット別では、3Qは商業施設、ホテル、物流施設への投資額が前年同期比で増加した。商業施設への投資は前年から倍増の3210億円で、ヨドバシホールディングスがフォートレス・インベストメント・グループから取得した「西武池袋本店」の土地など総額3000億円とみられる取引が影響した。ホテルの投資額は1950億円で前年の3・5倍まで拡大。インヴィンシブルがスポンサーから取得した沖縄のホテル「フサキビーチリゾートホテル」(403億円、実績NOIベースの利回り5・6%)を始め、Jリートによる取得が1480億円と大半を占め、Jリートの四半期ごとのホテル投資額では過去最高。オフィスや住宅の投資額は前年を下回ったが、利回りが過去最低水準の取引や350億円規模の住宅への大型取引があった。
3Qまでの累計投資額は3兆円(27%増)。Jリートを含めた国内投資家は前年より60%増加した一方で、海外からの投資は17%減少した。国内投資家の投資額増加は、Jリートによる投資額の回復が主因。一方で、海外投資家は、米国経済の情勢を受けて欧米投資家の一部は追加投資に慎重な姿勢に転じた。また、ホテルへの累計投資額は4470億円と前年の2・5倍で4Qに100億円超の大型取引も複数が控えており、19年を超える可能性が高いと見込んでいる。