トップインタビュー・中村 建治・フィード社長 有名企業との提携で認知度・信頼性向上  ―累計顧客1500人、提携先を順次拡大 
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 ―コンパクトマンションの事業環境をどうみる。
 中村氏 ファミリー向けよりも市況は良いが、コロナ禍で世帯収入が減る可能性があり消費マインドが鈍っている。株価は高いが実体経済には減速感がある。


 ―マンション事業が成長している。
 中村氏 約8年前に美容関連事業から不動産業に進出した。東京など1都3県で主に20歳~40歳代のシングル層に向けて実需用のマンションを供給している。当初は中古マンションの買取再販から始め、この5年で開発も手掛けるようになった。顧客数は累計で1500人に達した。すべて単身者だ。


 ―シングル層に的を絞った理由は。
 中村氏 市場調査の結果、最も商機があると判断した。ファミリー向けは(財閥系など)大手志向が強く、DINKs(ディンクス)向けは内装や作りが当社の得意分野と異なる。一方でシングル向けは競合他社が少なく、東京で住宅ローンに換算して月に9万~10万円、販売価格3000万~3500万円の新築1LDKを作れば確実に売れると考えた。

中村 建治・フィード社長 (フィード本社社長室にて)


 ―購入者の属性は。
 中村氏 平均年齢は32歳で年収550万円程度、勤続年数は8年前後。男女比はおよそ7対3だ。家賃8万~9万円の物件に住む会社員が多くを占めている。


 ―事業エリアは。
 中村氏 販売価格から逆算すると東京の城東・城北が多くなるが、城南・城西や川崎、横浜などの物件もある。千葉は柏や松戸、埼玉は川口、大宮などだ。一種単価30万~50万円の土地に新築マンションを建てると利幅は15~20%になる。仕入れでは競合他社が狙わない駅徒歩11分以上の土地を多く買っている。


 ―ワンルームマンションの販売状況は。
 中村氏 ワンルームは15年以降に年間100~150戸前後を売ってきた。近年はポルシェやアパレルのDIESEL(ディーゼル)など有名ブランドと提携してコンパクトマンションの供給に力を入れている。


 ―ブランドと提携した商品の売れ行きはどうか。
 中村氏 LVMHグループと組んで市場投入したマンション8棟、230戸が完売した。ポルシェジャパンと、シャンパンの「カーボン」を輸入・販売するマーカムインターナショナルと提携した東京・足立区入谷の物件も販売中だ。後発のベンチャーが大手と伍していくには認知度と信頼性の向上が何より重要だ。今後も多様なブランドと組み、例えばリゾート施設などを展開したいと考えている。


 ―提携先にディーゼルを選んだ理由は。
 中村氏 当社と顧客層が同じだった。10月下旬にディーゼル渋谷店にマンションの展示スペースを作った。土壁や間仕切りなど日本文化との提携商品を提案している。駒込と鳩ヶ谷(埼玉)に共同で手掛けた物件が完成した。駒込の物件は分譲賃貸、鳩ヶ谷の物件は実需用の分譲タイプだ。来年には松戸に2棟の分譲物件も竣工する。来年の12月頃から販売を始める。


 ―今後の事業展開について。
 中村氏 商品開発では高齢者の見守りサービスの機能があるマンションを検討している。経営上の課題では販管費の削減と集客の合理化を急いでいる。投資用物件ならオンラインでも売れるが、実需用はどうしても対面が基本になる。これまでにないニッチな販売手法を模索しているところだ。(日刊不動産経済通信)

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