(提供日刊不動産経済通信)東京都環境審議会は新築住宅への太陽光発電システム(PV)搭載の義務化を含む「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」の年度内の改正に向けた中間案をまとめた。
現行の省エネ性能基準では住宅の断熱性能と省エネ性能基準を定めていないが、改正で国の基準以上の内容を新設し、PVなど再エネ設備の設置に関する最低基準値も定める。義務を負うのは、年度単位で延床面積2000㎡未満の新築中小規模建物の供給総延床面積が2万㎡以上となるハウスメーカーなどの事業者。
PV設置の最低基準の設定は今後決めるが、指針となる「東京ソーラー屋根台帳」(ポテンシャルマップ)では、PV設置が「適」とされる都内の住宅は約85%。PV搭載スペースの確保や日照条件から設置が困難な場合は他の再エネ設備の導入、敷地外設置、再エネ由来の電力購入など、代替え措置も採る方針だ。
国は昨年8月にまとめた「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方」ですべての住宅等に対するPV設置の義務化は見送り、「30年に新築戸建ての6割に設置することを目指す」としていた。設置率85%は、国の目標を大きく上回る。都の現状のPV設置率は、ポテンシャルマップで設置が「適」とされた住宅全体で4・69%、築6年未満でも12・92%にとどまる。
最低基準などの調整のため今後、技術検討会を立ち上げる。規模や人選は未定。各エリアごとの設置率なども検討する方針。
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