超高層マンション市場動向・23年以降全国で287棟11・4万戸完成―不動産経済研究所調べ、首都圏は168棟8・4万戸

(提供:日刊不動産経済通信)全国で建設中または計画中の超高層マンション(20階以上)が約11・4万戸に達していることが不動産経済研究所の調べでわかった。23年以降に完成を予定している超高層マンションは287棟・11万4205戸で、22年3月末の前回調査時点に比べ23棟・1万5247戸増加している。
 圏域別では、首都圏168棟・8万4671戸(全体比74・1%)、近畿圏50棟・1万6578戸(14・5%)、その他の地区は69棟・1万2956戸(11・3%)となっている。完成予定年次別では、23年59棟・1万7721戸、24年61棟・1万6958戸、25年59棟・2万3071戸、26年39棟・2万790戸、27年以降69棟・3万5665戸。
 超高層マンションは09年には123棟・3万5607戸が竣工していたものの、リーマンショック後の事業縮小などから10年には67棟・1万7967戸と半減、11年には震災の影響もあり45棟・1万3321戸とさらに落ち込んだ。12年以降は増減を繰り返しており、15年に55棟・1万8821戸まで伸ばした後は1万戸から1万7000戸程度で推移していた。しかし、22年はコロナ禍での工期の遅延などの影響が大きく、8244戸にまで落ち込んだ。超高層マンションの竣工が1万戸を下回るのは01年(9795戸)以来となる。
 23年に完成する超高層マンションは、22年から完成がずれ込んだ物件などがあるため、1万7000戸以上に急増する。その後も東京の都心部や湾岸エリアだけでなく、地方中核都市でも新たな大規模複合再開発プロジェクトなどが数多く控えていることから、26年までは毎年1万7000戸から2万戸3000戸ほどの住戸が完成する見込みである。
 首都圏の計画168棟・8万4671戸のうち、東京23区は113棟・6万166戸。全国における23区の戸数シェアは52・7%(前回52・7%)と引き続き5割を超えている。その他のエリアは、都下8棟・3510戸、神奈川県26棟・1万2156戸、埼玉県9棟・2952戸、千葉県12棟・5887戸。完成予定年次別では23年24棟・1万239戸、24年26棟・9469戸、25年41棟・1万9386戸、26年25棟・1万5187戸、27年以降52棟・3万390戸となっている。1976年から22年までに竣工したのは957棟・27万8160戸。
 近畿圏は50棟・1万6578戸が建設・計画中。内訳は大阪市内30棟・8497戸、大阪府下10棟・4458戸、兵庫県7棟・2645戸、京都府3棟・978戸。完成年次別では23年13棟・3031戸、24年14棟・4314戸、25年5棟・1037戸、26年9棟・4764戸、27年以降9棟・3432戸となっている。その他の地区でも北海道8棟・1901戸、福岡県10棟・1639戸、愛知県9棟・1627戸など69棟・1万2956戸が建設・計画中。
 50階建て以上の超・超高層マンションも複数の計画が進行中。虎ノ門5丁目の64階建てなど、首都圏で14件・21棟、近畿圏で1棟の50階以上の超・超高層プロジェクトが進行している。

コメントをどうぞ
最新情報はTwitterにて!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめ記事