(提供:日刊不動産経済通信)リストグループの富裕層向け事業が好調だ。海外富裕層に物件を紹介する不動産ポータルサイトへの問い合わせが半年間で約2・5倍の77件に増加した。国内富裕層向けの提案も好評で、平均成約価格が大きく向上。1億1692万円だった20年と比べ2倍超の2億8939万円に伸び 国内外で富裕層向け提案を担うのはリストインターナショナルリアルティ(横浜市、北見尚之社長)で、世界的な高級不動産仲介ブランド「リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ」を展開している。ポータルサイトの問い合わせ件数は5月で31件だった。円安と、9月の海外渡航の水際対策措置緩和が追い風となって増え、11月に77件となった。
海外顧客の居住地は中国、香港、シンガポール、タイなど。希望する物件の所在地は東京・港区と渋谷区が最も多く京都、ニセコ、白馬、軽井沢と続く。成約した物件の価格帯は、5億円以上が多い。 国内は東京都心で坪単価1000万円以上、販売価格10億円以上の物件の取引件数が増えた。別荘地ではニセコの成約件数が10月と11月に大きく伸びた。購入者は全員日本人。以前からスキーリゾートの繁忙期を前に物件の需要が高まる時期だが、今期はインバウンド需要回復への期待感が加わって投資意欲が上振れした。軽井沢の成約件数は前年並み。コロナの感染拡大以降は販売物件の在庫不足が続いていたが、今年は中古物件の買い取りで高値がついたため売り物件が増え、在庫はコロナ前に近い水準に回復した。