東急不ら、九段会館の保存・建替が竣工 ほぼ満床、スマートガラスなども導入

 (提供 日刊不動産経済通信)東急不動産と鹿島建設が登録有形文化財である旧九段会館(東京・千代田区)を一部保存しながら建て替える「九段会館テラス」が7月29日に竣工した。施設の開業は今秋の予定。室内に差し込む自然光や熱量を最適化するスマートガラスを国内オフィスビルで初めて導入。食堂やエレベーターなどの混雑状況をリアルタイムで把握できるIoTの仕組みも取り入れ、最新鋭のオフィスと歴史的建造物を融合させた。新築部分のオフィスは9割が既に埋まっているという。

 旧九段会館は1934年に「軍人會舘」として竣工した。保存・復原を行った保存部分と地上17階建ての新築部分で構成。延床面積は約6万8036㎡。賃貸オフィスに加え、東急不動産の会員制シェアオフィスや食堂のほか、創建当時の意匠を維持・復原した宴会場を含む「九段会館テラスコンファレンス&バンケット」などの付帯施設が入る。

 導入するスマートガラスは、米Ⅴiew社が開発した。建物屋上に設置したセンサーとAIを活用し、太陽の位置や天候に合わせてガラスの透過率を4段階で自動調整する。空調や照明によるエネルギー消費量を削減でき、一般的な低放射ガラスと比べ、電力消費量を最大約20%程度削減できる見込みという。  施設内のIoTカメラでは共用施設の混雑状況や進入などを検知。セキュリティ性能を向上させるほか、ビル運営の業務効率化にもつなげる。混雑状況などは館内のサイネージや施設ホームページ上でリアルタイムで配信する。東京・竹芝の大規模複合開発「東京ポートシティ竹芝」で構築したデータ連携基盤を活用する。

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