(提供:日刊不動産経済通信)三井住友トラスト基礎研究所はJリート全銘柄のデータを分析した22年上期(1~6月)の「Jリートレビュー」を公表した。対象銘柄の中央値でみた分配金の成長率は前年同期比1・2%のプラスとなり、21年下期(+0・7%)を上回った。成長率プラスの銘柄が7割弱(前期は6割)に拡大、マイナス銘柄が3割(4割)に減少。住宅やホテルの収益回復、売却益の寄与などで成長率がプラスに転じる銘柄が増えた。

 1口当たりNAVの成長率は前年同期比4・5%のプラスで、前期(+2・2%)を上回った。成長率プラスの銘柄が9割を超えた。物流施設や住宅に次いでオフィスでも鑑定評価額の上昇が強まり、8割の銘柄で成長率が前期を上回った。不動産売却益は合計325億円で、前期(282億円)から15%増加。内部留保に関しては、業績悪化に対して内部留保の取り崩しで分配金を下支えする銘柄が増える一方で、将来の分配金安定化のために売却益の一部を内部留保に繰り入れる動きも進んでいると分析する。

 ポートフォリオのNOI利回りは平均4・7%で、前年同期(4・8%)から低下。オフィスセクターは稼働率の低下と水道光熱費収支の悪化が影響し、4・4%(前年同期は4・7%)に低下した。ホテルは4・1%(3・8%)に回復したが、コロナ前(19年上期5・8%)と比べると、まだ大きく下回っている。期中の物件取得額は約4300億円で、前年同期比で2割減。物流施設の取得額が半減した。平均取得NOI利回りは前期から0・1㌽上昇の4・4%。物件譲渡額は約1500億円で、オフィスが49%、商業施設が17%、ホテルが15%を占めた。

コメントをどうぞ
最新情報はTwitterにて!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめ記事