モリモト、賃貸マンションに再び本腰―富裕層に一棟売り、今年7棟で来年倍増

(提供 日刊不動産経済通信)モリモトが東京都心を主軸とする賃貸マンション事業に再び力を入れ始めた。インフレ対応や将来の相続対策などで個人富裕層らの買い意欲が強い。このため00年代前半に集中展開していた「IPSE(イプセ)」シリーズの開発と販売を強化している。一棟当たり10億~15億円の中規模物件を本年度に7棟、来年度に14棟、それぞれ竣工させ引き渡す予定という。24年度以降も来年度と同程度の開発ペースを想定している。

 モリモトは主に東京の都心や城南地区などで立地と造りにこだわった高級分譲マンションを供給してきた。累計400件余りの分譲マンションを開発し、それらの事業を通じ用地情報をつかむ人脈も豊富だ。「イプセ」シリーズは累計約110件の開発実績がある。分譲マンションは東京23区の東部や北部、都下、横浜・川崎なども含む範囲で展開してきたが、賃貸シリーズは単身者らの居住ニーズが特に強い東京の港、品川、渋谷、目黒の4区とその周辺区に絞る。間取りは1DK以上で月額賃料は坪当たり1・8万~2万円が中心になる。投資利回りは年率3%程度が目安だという。立地とデザインに特にこだわった部屋を提供し、競合他社と差別化する。

 「イプセ」シリーズの物件は今年に入り池尻大橋、馬込、月島で3物件を引き渡した。来年3月までにさらに6件、23年度に14件の竣工と引き渡しを予定している。国内富裕層らの投資需要が熱を帯びるなか、長期的に資産性を保ちやすい都心に狙いを定め、用地仕入れを準備している。賃貸マンションの売上規模は現時点で分譲事業の半分ほどだが、将来的には分譲に次ぐ大きな柱に育てたいとしている。

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