賃貸併用住宅は少人数世帯を念頭に設計  旭化成ホームズ
賃貸併用住宅「エスコート」(出典=旭化成ホームズ)

 (提供 日刊不動産経済通信)旭化成ホームズは同社の賃貸併用住宅仕様制定40周年を機に、賃貸併用住宅(戸建て・集合)の調査報告をまとめた。報告内容を主題に東京・千代田区で「くらしノベーションフォーラム」を開き、今後の求められる併用住宅の内容として、少人数世帯の「集居」に適した間取りや質などを提案した。

 フォーラムは、調査研究を担った旭化成ホームズくらしノベーション研究所(河合慎一郎所長)から松本吉彦顧問が「賃貸併用住宅の価値」をテーマに話した。所有者世帯の少人数化が続いていることから、住戸(居住部分)の設計は建設時から、将来夫婦2人など少人数で暮らすことを念頭に検討することや、土地活用と収益の観点から賃貸住戸を設置することを勧める。一方、高齢期に暮らしやすいワンフロアで生活が完結する面積・間取りと、エレベーターなどで楽に住戸に到達できる動線が必要だと指摘。モデルプランは夫妻向けで56・59㎡の高齢者仕様住戸などを提案した。賃貸住宅市場は質の高い賃貸住宅を求める30歳代から50歳代の単独世帯が増えている。

研究成果は二世帯住宅・賃貸併用住宅の新築・リフォーム提案に生かす方向だ。このほか、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授の大月敏雄氏が「併用で高まる住宅の価値」と題して登壇し、各地での賃貸住宅運用の成功例や団地内住み替えを含む賃貸住宅での暮らし方の変遷などを紹介した。

 旭化成ホームズで建築計画開始時に併用住宅を検討した顧客は21年に全体の8割に達し、約半数だった1998年から大きく増えた。新築戸建て・集合住宅のうち二世帯仕様が占める比率は、19~21年度に13・5~15・1%で推移した。

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