(提供 日刊不動産経済通信)日鉄興和不動産は、新規事業として、長期滞在や多人数での旅行ニーズに対応した宿泊施設「レジデンシャルホテル」の開発・運営に参入する。東京・上野に第1弾の物件を開発し、24年1月に開業する予定。上野に加え、東京と大阪でそれぞれ用地を1カ所ずつ取得済み。ホテルの運営会社も新たに設立した。 ターゲットとするのは、訪日外国人の宿泊需要や国内のファミリー層、グループ旅行需要。客室のうち、ベッド数がトリプル以上のグループ向け客室を全体の7割程度設ける。グループでくつろげるよう、ソファスペースや和室などの空間を確保し、客室にはミニキッチンや冷蔵庫、電子レンジなど長期の滞在に適した設備を置く。共用のランドリースペースも設ける。
ホテルのブランド名は「&Here(アンドヒア)」。第1弾の「上野」は、不忍池の南側に位置し、JR上野駅から徒歩7分に立地。客室数は145室を予定している。1階にはラウンジとカフェスペースに加え、個室ブースのコワーキングスペースも計画し、テレワークニーズにも対応する。最上階には露天風呂付きの大浴場を設け、ワーキングスペースの利用者も入浴できるよう検討する。
同社は、訪日外国人旅行客に占める3人以上のグループの割合はコロナ前から高く、入国制限が緩和されれば、グループで滞在できる広めの客室に対する需要は再び高まると予想。国内需要については、出張などホテルのビジネス利用は今後大きく拡大することは想定しにくい一方、ファミリーやグループでの旅行は増加すると考え、レジデンシャルホテルの開発・運営に乗り出すことにした。