(提供日刊不動産経済通信)政府は1日夕、デジタル化で地方の課題解決と活性化を目指す「デジタル田園都市国家構想」の基本方針案を示した。光ファイバや5Gなど構想実現のためのインフラ整備を強力に進めるとともに、「転職なき移住」を実現して地方への人の流れをつくる。そのための具体策として、全国でサテライトオフィスの整備を促す。24年度末までに1000の地方自治体にサテライトオフィスを設置する目標を掲げた。
都会から地方への大きな人の流れをつくるため、地方でも都会と同じように仕事ができる環境を整備する。地方創生に取り組む地方自治体に企業が寄付をした場合に、法人税等の税額を控除する「企業版ふるさと納税」などを活用して、サテライトオフィスを増やす。転職なき移住とセットで、関係人口の創出・拡大と二地域居住等の推進も盛り込んだ。二地域居住等については、実践者を把握するための全国的な大規模実態調査を行って、効果を整理・分析する。国土交通省が主導して立ち上げた全国二地域居住等促進協議会と連携し、施策や優良事例を横展開する。
地方に仕事をつくることも、人の流れを地方に向けるうえで大きな課題。木材を活用するCLTの量産体制の構築や、木造建築物の普及は、地方に仕事をつくる政策のひとつとして盛り込まれた。地域の価値向上に向けた取り組みとして、低未利用地の利用促進や不動産IDの活用に向けた環境整備も記載された。
毎年末に地方創生の基本的方向を定めていた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、抜本的に改訂し「デジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)」とする。同時に構想関連施策のロードマップもまとめる。
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