東京カンテイは、竣工10年の分譲マンションの中古流通時の価格維持率「リセールバリュー」(RV)の調査結果を公表した。21年の首都圏(対象345駅)の平均RVは119・8%で、調査開始以来初めて100%を超えた20年から17・9㌽上昇した。新築分譲時の価格以上で流通したのは302駅。シェアは18年に21・9%、19年に30・5%、20年に51・9%と年々拡大し、21年は87・5%となった。中古マンションの価格上昇が東京都心部や横浜エリアから外周エリアにも及んできたとする。
新築分譲時の90%以上100%未満の価格で流通したのは30駅(シェア8・7%)。一方、資産価値が1割以上目減りしたのは13駅のみで、80%以上90%未満が9駅(2・6%)、70%以上80%未満が1駅(0・3%)、70%未満が3駅(0・9%)だった。同社の高橋雅之・主任研究員は「新築分譲時より高額で売れたエリアが近郊郊外や周辺3県まで拡大してきた。マンションニーズの高まりで価格上昇が顕著」と話す。
ただし、都心の強いニーズも変わらない。RVを駅ごとにみていくと、最も高かったのは六本木一丁目で211・1%。築10年の中古マンションが新築分譲時より2倍以上に値上がりしていた計算になる。次いで、赤羽橋(181・6%)、御成門(169・3%)、片瀬江ノ島(168・9%)、浅草橋(166・8%)など。上位30駅には3Aエリアをはじめ富裕層から高い人気を集める高級住宅地がある港区が最多の9駅、渋谷区が4駅、新宿区が3駅入った。片瀬江ノ島駅は「富裕層のセカンドハウス需要」(高橋主任研究員)とみられる
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