2022年宅建試験に向けて 合格への筋道② 宅建試験に合格するためのポイントは「国語力」みやざき塾主宰・宮嵜晋矢氏

 2022年の宅建試験に向けて‥今年は成人年齢が引き下げられたほか、不動産取引のデジタル化など重要な法改正がある。こうしたポイントは宅建試験でどう問われるだろうか。今年初めて受験に臨む初学者の人や、何度もチャレンジしていて今年こそは合格!と考えている「不動産業界人」に向けて、宅建試験で問われることは何なのか、学習のポイントはどこにあるのか。来年で宅建試験の指導歴20年を迎える、ベテラン講師のみやざき塾主宰・宮嵜晋矢氏に話を聞いた。

2022年宅建試験に向けて 合格への筋道① より続く

宮嵜晋矢 プロフィール


 03年に宅建試験の指導を開始。LEC東京リーガル マインドでの指導を経て、日建学院へ移籍。同学院で講師や教材開発に携わりつつ、11年から個人の指導塾「みやざき塾」を開講した。

宮嵜晋矢氏

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 難問・奇問もある。裁判の判決文の問題まである。

 令和3年は10月も12月も判決文問題が出題された(ともに問1での出題)。昨年の試験結果で、自分がこれまで薄々感じていたことが裏付けられるデータが得られた。それは判決文問題の正解率が、合格者では9割を超えていたということだ。判決そのものは試験を受験している誰もが知らないようなことだ。だが一見難しい法律の文章でも正解を拾える人は、問題文(判決文)はこういうことを言っているから、これが正解だよね。と問題文を読めば理解できる力がある。選択肢を読んで理解できる力、問題集や模試の解説を読んで理解できる力がある。だが不合格になっている人は、判決文問題の正答率がそこまで高くない。法律の文章を読んでも理解ができない。解説が理解できない。その場合、意味がわからないから暗記しようと考えてしまう。過去問は繰り返しだから、それでも解けてしまう。だがいざ本番となると新しい問題が出題されるので解けなくなる。 

 国語力が必要であると。

 問題や解説を読んで理解できる力のある人は、過去問だけで合格ラインに十分到達できる。これは大事なことだが、宅建試験では初めて出てきた問題でも、問題文を読んで意味を読み取り、正確に状況把握できれば正解できる問題が多い。法律で定めらているルールは常識の集まりだ。トラブルが起きたらこう解決すればいいとか、常識的な法規範を条文として明文化してるだけ。だから常識とかけ離れることはない。極論すれば宅建試験は、宅建業法などで必ず出題される重要数字とかを覚えれば、あとは問題文を読み取る力、状況把握力、常識的な問題解決能力の3つが備わっている人であれば、試験勉強はほとんどしなくても合格ラインに到達する。

 昨年(令和3年度)の試験の合格点は、2回とも34点だ

 一昨年の試験までは、合否のボーダーラインは35点以上に高得点化していた。それに対し試験当局はブレーキを掛けたのだろう。昨年の試験は34点に「調整」してきた。この傾向はしばらく続くのではないか。その理由はボーダーラインを上げるとまずいことがあるからだ。宅建業界の人は「5問免除」があるため50問受験の一般受験者よりも合格しやすくなっている。ところが合格ラインが高得点化すると業界優遇の意味があまりなくなる。仮に合格ラインが40点前後になると5問免除の意味が薄れてしまう。だから34点前後にしたのだろう。世の中の択一式試験で、受験者の得点分布を考えると、合否判定に最も適切な正答率は65%とされている。50問の65%は32.5点。5問免除の下駄履き分を1点として33.5点。だから33〜34点を理想としているのではないか。

 受験ツール多様化の影響は

 スマホの登場で受験環境が大きく変わった。受験ツールに良いものが増えて、受験生のレベルがグッと上がっている。それで問題の傾向が一気に変わって、覚えていれば解けるような単純な問題が減った。正解の個数を答えさせる「個数問題」も増加の傾向にある。いずれにしても問題を読み取る力が必要だ。だから昨年の試験は判決文問題が解けるような読解力のある受験生が合格しやすかった。反対に読み取る力が不十分な、判決文問題が解けないような受験生は不合格となりやすい。判決文問題は平成20 年試験から出題されるようになり、これまで15回出題されている。過去問では法改正で使えなくなった問題3問を除き12問ある。これらの過去問は問題文を読み取る力をつけるトレーニングとして最適だから、ぜひ解いてみてほしい。 

 みやざき塾のテキストの特徴は

 説明文が1、2行で理解できる人もいれば、もっと噛み砕いて7〜10行の説明が必要になる人もいる。その人のポテンシャルや学習の段階によって求められてくるものが違う。だからテキストは2種類用意している。夏以降の直前向けにお勧めしたいのが、先ほど説明したまとめテキスト「超重要ポイントまとめ集」だ。コンパクトに数字を図とか表でまとめたもので、繰り返しに最適だ。全体で115ページ、プラス16ページ(問46~50:五問免除科目)ある。それで昨年は42、3点以上対応できている。コンパクトなテキストで回転数を増やす勉強法が自分に向いているという人には「超重要ポイントまとめ集」でいい。

一方でコンパクトすぎると説明の内容が理解できないという人もいる。そのため、1月とかある程度早い時期から勉強をスタートさせる入門者の方向けに、丁寧にわかりやすく、市販の教材よりも図表を10倍以上入れ、段階を踏んで理解しやすいようにした「宅建みやざき塾オリジナル合格テキスト」もある。市販の宅建の本は抽象度の高い文章で書かれているものが多い。それでつまづく人でもこのテキストでは豊富な図表で法律の表現を身に付けられる。テキストの厚さは市販の書籍とそう変わらない。

 みやざき塾のターゲットは

 独学でも、通信でも、スクール通学でも、何をやってもダメ!という人の最後の砦になりたい。みやざき塾まで通ってダメなら宅建試験の受験をやめよう。ぐらいまで切羽詰まっている人を、40点以上の突き抜けた高得点で合格させたいという思いで指導している。学び方一つでこれだけ変わる、というものを実感させてあげたい。これが講師としての醍醐味だ。世間一般のスクールとの違いは「合格魂」というか熱い思い、本気度だ。受講者との距離感も大事。今の時代は色ん情報が溢れすぎていて、自分でそういう情報をどう扱えばいいかわからない人がいる。本気で困っている、そういう人に道を示し、その道を一緒に歩んであげる。道を示す、まではやっているスクールはあるが、自分一人じゃ歩けないという人が結構多い。勉強が毎日続けられないとか、つまづいた時に勉強自体を諦めてしまうとか、そういう人を救いたい。情報はいくらでも得られる時代だから、スキルが高い人は独学でも合格できるだろう。だが私は、自分でどうすればいいかわからない人に向けて指導しています。合格すると人生が前向きになります。生き方が変わりますよ!

 指導はネットだけでなく オフラインと併用だ

 会場講義は東京では月2、3回程度行っている。お盆とか連休とか試験直前は特別講義を実施している。通信やオンラインではなく、会場講義をやるメリットは非常にある。実際に受験生と接することで、今の受験生がどこで困っているかがよくわかるからだ。ここがみやざき塾の特徴。どこで受験生がつまづくかが講師の私がちゃんと理解できている。

例えば問題が解けない、と言ってもそれは知識がないからでもなければ、問題文の意味がわからないためでもなかったりする。こうした原因の一つに集中力の欠如が挙げられる。試験に臨むと、誰でも集中力が下がりやすい時間帯がある。そういう時に不注意による問題文の読み取りミスが起きたりする。個々の問題の設問に答えていくだけでは対応できないことだ。制限時間2時間で50問あるうちの、どこをどう解いたか。時間帯と解いた順番でどこでどのようなミスが起きたか。例えば試験開始30分後にミスが連続して発生することがわかったりする。

みやざき塾では個別に、そのあたりの受験生ごとの特徴まで見ている。人によっては持病もある。そういう方には試験前からコーチングする。試験に落ち続けたトラウマがよぎる人もいる。そういう方には試験会場の選定から一緒に考える。その人その人の個別の対応を取っていく。手取り足取り指導させていただくことで、普段過去問は解けているのに、なかなか受からない、なぜ受からないかわからないような人でも、みやざき塾に来れば40点以上は取れるようになる。

2022年宅建試験に向けて 合格への筋道③ へ続く

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