匿名登録で「未公開」物件情報がチャットで届く「Housii(ハウシー)」、不動産業者はチケット購入でユーザーに提案が可能

不動産売却の一括査定サイト「イエウール」を展開するSpeee(東京・港、代表取締役大塚英樹社長)は4月、完全会員制の家探しサービス「Housii(ハウシー)」をローンチした。

 Housiiは、不動産の購入希望者(ユーザー)が事前に希望の条件を入れておくと、それを見た不動産会社がユーザーへ物件情報を届ける仕組み。サイトで扱う不動産は、首都圏の戸建て・マンション等で、昨年8月にβ版をリリース、その後ユーザー効果の検証などを行って今年4月に正式リリースした。

Housiiにおけるユーザーのメリットとしては、不動産ポータルサイトに掲載される前の物件情報提案がチャットで受けられるところ。ユーザーは会員登録が必須だが、不動産会社には情報が匿名で通知される。そのため不動産会社からしつこい営業電話はなく、仕事などで普段忙しいユーザーでも自分にあった不動産をじっくり探すことができる。

会員登録しているユーザー数は現在約3000名。現在は首都圏のみで展開しているため、居住地は1都3県が大半を占める。平均年齢は38歳。登録のきっかけは、結婚など家族構成の変化に伴って住まい探しをするという動機が最多。登録者の約半数が検討初期の段階の人で、まずは相談から始めたいというニーズが強い。

 不動産会社はHousiiのユーザーに対し物件情報などのメッセージを送付し、ユーザーとマッチングできたら媒介契約を結ぶ。チケット制課金の仕組みで、不動産会社はユーザーとのメッセージのやり取りに必要なチケットを一定数購入する。

 今後はイエウールとのシナジーも模索していく。例えばイエウールで査定し不動産会社と媒介契約するとシームレスにHousiiに情報が流れる仕組みなどを検討していく考え。

 Housiiには1店舗のみの会社から、社員数百名規模の中堅企業まで49社が登録。ポータルサイトへの掲載費などの固定費を下げつつ反響を高めたい中堅・中小仲介会社の登録拡充を目指している。大手ポータルサイトへの出稿費用は高騰を続けており、あるサイトでは1物件あたりの掲載コストが1成約あたり100万円以上かかる場合もあり、売買仲介手数料に匹敵する額にまで達しているケースも散見されるという。多くのユーザーにとって不動産売買は反復性がなく、こうした「見えないコスト」に気が付かない。こうした点もポータルサイトにおける大手寡占が進む要因にもなっている。

 ただし最近はHousii以外にもBtoC・CtoCの提案型不動産マッチングサイトが複数立ち上がっており、ユーザーの情報の獲得手段が「検索」以外へ多様化しつつある。

関連リンク

完全会員制の家探しサービス「Housii」:https://ieul.jp/buy/

買い主集客を検討する不動産会社はこちら:https://housii-biz.ieul.jp/

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