不動産登記情報のビッグデータ事業を展開するトーラス(東京・千代田区、木村幹夫社長)は、土地の地番や路線価、評価額などの不動産情報を数分程度で取得できるウェブサービス「不動産チェッカー」を年内に発売する。スマートフォンなどの地図上で任意の場所の登記情報や売買・相続履歴、還元利回りなどが分かる。対象は全国。謄本の閲覧は無料だが、月額料金を払えばより多くの情報を引き出せる。木村社長は「新しい看板サービスになる」と自信を見せる。
住宅や土地の所有者を割り出し、登記取得からリスト化までを行える既存サービスを発展させ、専用サイトで住所などを入力すれば過去の登記簿謄本や不動産の評価額、差し押さえ件数などといった関連データを表示する機能を付けた。数回のクリックでオフィスの平均賃料や空室率、利回りなども調べられる。取得した謄本はいつでも閲覧できるよう自動で保存され、ボタン一つでPDFからエクセルのデータに変えられる。権利移転の有無を知らせるオプション機能もある。年内にオフィスだけでなくマンションの賃料相場なども割り出せるようにする予定だ。
全国の不動産会社や金融機関、士業従事者らの利用を想定する。従来は法務局に足を運び、半日から1日程度かかっていた謄本などの情報取得が外出せず数分で終わる。土日や夜間にも謄本を取得できるため業務効率が上がる。9月から一部の企業らに試用版を供給しているが、多くの好意的な反響があるという。
有料プランでは、土地・建物の相続や所有権の売買が行われた履歴をAIで調べ、富裕層らの相続需要を予測するなどといった使い方ができる。
2020/10/22 日刊不動産経済通信
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