(提供 日刊不動産経済通信)昨年に東京など三大都市の主要繁華街に出店した路面小売店の数がコロナ禍以前の19年実績を上回ったことがCBREの調査で分かった。東京の銀座や大阪の心斎橋、名古屋の栄などに出店した件数は72件と19年比で9件増えた。ファッションやラグジュアリーブランド、中古買取などのリユース系、ショールームなどの引き合いが特に強く、面積100坪未満の出店が全体の7割超に上った。 主要繁華街で好立地の空き店舗の入居募集が相次ぎ、それらが順調に埋まった。エリア別の出店数は心斎橋が27件と首位で、次点は原宿(23件)だった。いずれもコロナ禍で訪日観光客の消費が大幅に減ったエリアで、店舗の入れ替えが一気に進んだ可能性がある。 出店業種は宝飾品や服飾雑貨などの「ファッション」が25件と最も多く、次点以下は「ラグジュアリー」(9件)、「リユース」(7件)、「ショールーム」(4件)など。ラグジュアリーの出店は銀座と表参道、心斎橋に多い。出店面積は「50坪未満」が39件、「50~100坪未満」が14件などと小規模の物件が人気。経費を抑えようと面積を絞る傾向が強いようだ。出店先の階層は「1層」が34件と最多。人手不足でも業務を効率化しやすいことが人気の理由とみられる。「2層」(26件)、「3層」(9件)の需要もある。 主要繁華街への出店件数は復調してきたが店舗ビルにはまだ空室が目立つ。同社の集計では、21年第4四半期(4Q)の空室率は銀座が4・3%(19年4Qは2・1%)、表参道が1・8%(1・3%)、原宿が11・7%(0・3%)、心斎橋が12・7%(0・9%)、栄が0%(0%)と栄を除くエリアで上昇した。
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