高価格でも不動産への強い投資意欲② コロナ禍におけるホテル戦略 星野リゾート・アセットマネジメント 秋本憲二社長
不動産経済ファンドレビュー


 不動産経済研究所は、「新たなフェーズを迎えた不動産・住宅市場とビジネスの進路」と題した不動産経営者講座を開催した。今号ではグローバル投資家から見た日本の不動産投資市場と、コロナ禍におけるホテル市場に焦点を当てた講演を紹介する。

高価格でも不動産への強い投資意欲 ① より続く

2025年にインバウンド需要が完全に戻る

開発ファンド活用し資産規模3000億円へ

 コロナ禍におけるホテル戦略について、星野リゾート・アセットマネジメントの秋本憲二社長が講演した。

 日本の観光市場規模は2019年に28兆円あり、その内4.8兆円がインバウンド。ここが少しずつ戻ってくる。一方、22兆円の国内市場がある。さらにアウトバウンド層の国内志向もある。インバウンドが戻ってくるペースに合わせて、マイクロツーリズム、首都圏や関西圏からの旅行客をしっかり獲得することが出来れば、それほど困ったことにはならないというのが星野リゾートグループの考えだ。アジア圏の人々に調査したところ、コロナ禍においても日本の人気は高い。つまりインバウンドが戻ってくるときは、日本に訪れることが予想される。意外にも温泉旅館に対する潜在的な需要の大きさもうかがえ、地方にもインバウンドが広がることが予測される。星野リゾートは2025年にインバウンド需要が完全に戻ると予測している。

 コロナ禍でリートも公募増資による物件取得と資産入替えを積極的に実施してきた。財務においてはコロナ禍においてレンダーからの調達は非常に厳しい。そうした中、コロナ前と同等の条件で借り入れができている。リファイナンスも長い期間で確保できている。昨年8月にはグリーンボンドを発行した。デット市場からの評価は高いと言える。コロナを機に、地球温暖化の危機を今まで以上に考えるようになった。将来を見据えることが極めて重要だと思っている。リートも星野リゾートとともに、ESGに取り組んでいきたい。

われわれが考えるホテルアセットの価値は、キャッシュフローを安定して出し続けること。上場後、外部物件の取得を続け右肩上がりで資産規模は拡大しており、現在は新たな局面に入っている。星野リゾートの継続的なスポンサーパイプラインが積み上がる仕組みが出来上あがり、今後は星野リゾートの新築物件を取得することで、一気に資産規模を拡大させたい。

リートによる星野リゾート物件の運営比率を38%から2年で50%超、中長期的には60%、70%への拡大に取り組む。その蓋然性が高まりつつある。星野リゾートと日本政策投資銀行の共同運営ファンドだ。ホテル事業は所有、運営、開発の3つの役割に分けられる。その開発を担うのが共同運営ファンドだ。スポンサーとリート、ファンドの三者の新しいシナジー効果は今後の成長スピードを確実にアップさせて行こうと考えている。開発ファンドと優れたオペレーターを自ら保有するリートは他にはない。

なお、スポンサーパイプラインとして所有物件は5物件・407億円、共同ファンドから4物件・489億円、予定する開発案件がファンドに組み入れられ試算できるものとして4物件・357億円ある。WBF社の再生案件は7物件・100億円、メザニンローン債権、匿名組合出資が2物件・174億円。これらを合計すると1527億円になる。

われわれの中期的な資産規模3000億円を目指す。1768億円から。2026年までに達成したい。毎年200~300億円の物件をパイプラインから取得する。

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