(提供 日刊不動産経済通信)星野リゾートが新規需要の掘り起こしに本腰を入れ始めた。ウィーワークと提携し、都市型ホテル「OMO」と同社の施設の相互利用を開始。カブクスタイルの定額宿泊サービス「HafH」の利用者にも一部施設を開放し始めた。シニア世代の集客も強化し、温泉旅館「界」の定額宿泊サービスを投入する。国内需要のすそ野を広げる拡販措置を相次ぎ打ち出し、訪日観光客が戻るまでの数年をしのぐ。
都市の観光に特化した「OMO」ブランドのホテルにテレビ会議も行える個室型ワークスペースを段階的に設け、5月以降に施設に宿泊するウィーワーク会員に2時間までスペースを無料開放する。一方、OMOのホテルに泊まった一般客には全国20カ所以上のウィーワークの共用エリアを使える1日無料券を配る。
一方、HafHを展開するカブクスタイルとの提携では、OMOとカジュアル・ホテルの「BEB」の2ブランド、合計13施設を定額で泊まれるホテルのラインナップに組み入れた。HafHには月額9800円で月に3泊まで好きなホテルに泊まれるプランなどがある。コロナ禍で場所にとらわれない働き方が広がるなか、星野リゾートは両社との協業でワーケーションなどの新たな顧客層を取り込む。
温泉旅館ブランドの「界」では70歳を超えるシニア層の旅行需要を取りに行く。箱根や鬼怒川など全国の18施設を年間12泊まで使える時限措置の定額プランを設けた。利用料金は1人なら30万円、2人ないし3人は同額の60万円に設定した。13日に100組限定で予約受付を始めた。星野佳路代表は「予約する手間が減れば高齢者も旅に出やすくなる」としている。