内閣府の地方創生推進事務局は、昨年12月に始めた「スーパーシティ型国家戦略特別区域」の募集に、全国31の地方自治体から応募があったと公表した。多くは市町村単位での応募だったが、府県と組んでの応募や6町合同での応募など、自治体の枠を超えて連携するケースもみられた。5月以降に専門調査会や国家戦略特区諮問会議で検討を行い、今夏にも5カ所程度がスーパーシティとして区域指定される見通し。
大阪府と大阪市は共同で「健康といのち」をテーマに応募。23年からデータ連携で健康・円滑な工事を実施する「夢洲コンストラクション」、24年からICTで「みどり」を生かしたサービスを行う「うめきた2期」、25年から未来社会を描く「大阪・関西万博」の3プロジェクトを主軸に、住民のクオリティ・オブ・ライフを向上させる先端的サービスを展開し、広域データ連携基盤の構築による都市DXを推進する。
三重県多気町などは6町合同で、「三重広域スーパーシティ構想」を応募。あらゆるモビリティの自律運転が可能となる高精細ダイナミックマップ基盤の整備を盛り込んでいる。高速道路出口に直結する滞在型商業リゾート施設「VISON」(4月29日第1期オープン)を拠点に、レベル4自動運転や自律飛行ドローンの商業運用を開始する。VISON近隣地域への社会実装も検討する。
スーパーシティ構想は、「2030年頃に実現される未来社会の先行実現」を掲げる。生活全般の先端的サービスの提供、複数分野間でのデータ連携などが特徴。(日刊不動産経済通信)