(提供日刊不動産経済通信)成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる改正民法(18年6月13日成立)の施行日が、4月1日に迫る。成人年齢の見直しは約140年ぶりで、18~19歳の若者の積極的な社会参加を促すことを目的として改正された。不動産業界でも宅地建物取引士の規定や実務面でこの改正の影響がありそうだ。
宅地建物取引業法上、原則、未成年者は宅建試験に合格しても宅建士の登録はできない(第18条1項)。例外として、婚姻するか、法定代理人(親権者・未成年後見人)から許可を得た場合は登録できる。4月1日からは、成人年齢の引き下げにより、18~19歳であれば親などの許可を得ずとも宅建士登録が可能になる。このほか未成年ではなれないものに、5人に1人以上の設置が義務付けられている「専任の宅建士」がある(第31条の三)。4月からは18~19歳なら専任の宅建士になれる。
実務面では、18~19歳であれば様々な契約の締結が一人でできるようになることから、主に賃貸借契約がスムーズになるとみられる。未成年者の契約は、法定代理人の同意が必要で、同意がない契約は取り消すことができる。18~19歳は高校卒業・大学進学で初めて一人暮らしを始める人が多い年齢。これまでは親の承諾が必要な年齢だったが、4月以降は不要になる。
22年4月1日時点で新たに成人になるのは、18歳以上20歳未満の人(02年4月2日生まれ~04年4月1日生まれの人)。04年4月2日以降の生まれの人は、18歳の誕生日に成人となる。改正民法により、男女の婚姻開始年齢も18歳に統一される(女性の婚姻開始年齢を16歳から18歳へ引き上げ)。