(提供 日刊不動産経済通信)
大東建託は、水害対策と平時の快適性・利便性を両立させたフェーズフリーの3階建て賃貸住宅「niimo(ニーモ)」を11日に発売する。初年度の販売目標は北海道などを除く全国で50棟を目指す。
構造は、1階を浸水からの復旧が容易な打ち放しコンクリート仕上げのRC造、2階と3階を2×4工法とした。初の混構造モデルとなる。過去の水害事例などから、浸水は高さ1・5mを想定。1階はビルトイン駐車場とテレワークなど多くの用途で使える離れとして用い、浸水する可能性が0・3%と極めて低い2階以上に生活機能を集約する。室外機も2階に設置し、1階のコンセントは1・5m以上の高さに配置する。風と光が通りやすい吹き抜け式の階段室を採用し、浸水後の乾燥速度を早めている。
各住戸には、入居者向けに同社防災アドバイザーの永田宏和・プラス・アーツ代表が監修した防災ボックスを置き、簡易ベッドや救急セットなど15種類を常備する。設計には同社の社内研究機関「ぼ・く・ラボ」と建築事務所Eureka(エウレカ)代表の稲垣淳哉氏に、永田氏も加わっている。
同社の36支店は、支援物資を備蓄し給電設備を備えた防災拠点「ぼ・く・ラボステーション」を兼ねている。非常時には、ニーモが各地の防災拠点のサテライト施設として機能することを想定している。各地の先祖代々の地主や名士らからの「災害時に地域に資する賃貸住宅を建て、運用したい」との需要が以前から一定数あり、今回のニーモで応える。今後も研究開発を進める方針で、ZEH仕様の商品化などを検討している。