(提供 日刊不動産経済通信)
オフィスビル総合研究所(今関豊和代表)は東京や大阪など主要都市における3年間のオフィス需給予測(2月28日時点)を公表した。東京都心5区では企業らの拠点縮小・統合が続くものの、空室率は23年第1四半期(1Q)に5・0%で天井を打ち、24年4Qには3・2%まで下がると予想。募集賃料は今後3年で4・9%下がると読む。一方、大阪と名古屋には東京ほどの大きな需要減退は生じず、空室率は大阪は4%台、名古屋は5%台と横ばいの動きを予測している。
東京都心ではコロナ禍を契機として企業らの床需要が減る傾向が続くと想定する。上昇が続いていた空室率は21年4Qに4・3%と前期比で横ばいになったが、一服感は長続きせず、22年4Qに4・8%、23年1Qに5・0%と再び上がり続ける。ただその後は23年2Qに4・6%、4Qに4・0%、24年2Qに3・5%などと下降に転じる。都心ではオフィス床の供給量が23年1Qに13万坪弱と近年のピークを迎える。その後は毎年2万~4万坪程度の供給が続き、テナント需要が供給を上回るとみられることから、都心の空室率は下降カーブを描くと予想している。新規供給量は22年2Qに1万3100坪、3Qに6万5200坪、4Qに7800坪、23年1Qに12万7400坪などと年によって波がある。
大阪と名古屋では企業らが拠点戦略を見直す動きが東京に比べ小さい。向こう3年の賃料が東京で4・9%下がるのに対し、大阪は10・1%増、名古屋は4・6%増といずれもプラスを見込む。福岡では大型再開発に伴う大量供給が続き、空室率は23年2Qに4・9%(21年4Q実績3・6%)まで上がると予想する。