野村不動産は、販売価格が2億円を超える高額帯の建売戸建て住宅を東京23区内で展開する。建売市場では供給が少ない価格帯で、広さを求めるニーズや注文住宅の検討者などを取り込んでいく狙いだ。
第1弾として東京・世田谷区の「プラウドシーズン成城コート」を販売した。第1期の5棟は販売価格が平均2・3億円台、最高2・7億円。1月下旬に登録申し込みを行い、即日完売した。最高倍率は5倍だった。今後も「プラウドシーズン」シリーズで高額建売戸建てを販売していく。
成城の物件は小田急小田原線・成城学園前駅から徒歩8分に立地。建物面積が119・33~173・97㎡。天井高は3m、2・7mの開口サッシを備えた大空間のリビングが特徴。仕様や設備はプレミアムクラスのマンションと同等とし、全館空調システムなども導入している。設計・施工は三菱地所ホームが担当している。成城エリアの街並みに合わせた外構設計を行い、開発敷地内は、私道として初めて採用された東京都パイロット事業による電柱地中化を実施した。
従来の建売住宅は建物面積が100㎡前後、販売価格が数千万円から1億円台前半までの商品が中心で、それ以上の広さやグレードの住宅となると、購入者が土地を購入し、注文住宅として建築するのが一般的だ。一方、同社は高額帯の建売戸建ての潜在的ニーズがあるとみて商品化を企画。成城の物件では、注文住宅の検討者やマンションからの買い替え、都心部からの住み替えを考える層から反響があったという。成城の物件を皮切りに、都内23区を中心に商品展開していく方針だ。(日刊不動産経済通信)