小田急、全長1・7kmの下北線路街完成 総投資額90億円、支援型開発で13施設

 (提供 日刊不動産経済通信)小田急線の複々線化に伴って生まれた全長約1・7km、敷地面積約2万7500㎡の線路跡地に13の施設を開発した「下北線路街」(東京・世田谷区)がこのほど全面開業した。28日にアートギャラリー「SRR Project Space」が開業し、下北沢駅南西口で複合施設や広場などの「NANSEI PLUS」が完成した。小田急電鉄の星野晃司社長は「地域密着の支援型開発を行った。下北沢に拠点を置き、まちの魅力を向上していく」と語った。総投資額は約90億円。


 「NANSEI PLUS」では、ミニシアターやシェアオフィスが入る複合施設「(tefu) lounge」と路面店が1月に先行オープン。下北線路街で20年に開業した商業施設「BONUS TRACK」など世田谷代田方面に向けて歩行者の回遊性を高める空間として整備を進めてきた。3月末に世田谷区と整備した緑の広場「ののはら」が完成(供用開始は夏頃予定)し、4月13日には広場に面した園芸店「シモキタ園藝部 ののこや」もオープンした。広場など下北線路街全体の植栽管理は、(一社)シモキタ園藝部が担う。開発が全面的に完成した下北沢の街での消費について星野社長は、「温泉旅館の『由縁別邸 代田』は、ランチの人気や国内需要で一定の稼働がある。まちづくりの視察も多く来ている。開発当初は見込んでいたインバウンド消費がほぼ無い現状では、手応えを感じている」と話す。
 小田急電鉄は今後、下北線路街で地域との対話を重ねた「支援型開発」のノウハウを生かして、沿線の拠点の海老名や本厚木など中核駅での面的開発や、町田や小田原などで、地域のプレイヤーと連携して魅力を引き出すまちづくりを進めていく。

京王井之頭線高架脇も開発が進む
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