脱炭素に向け省エネ・創エネ推進を国が急加速(上)(有)studio harappa 代表 村島正彦
(有)studio harappa 代表 村島正彦

 政府は、温室効果ガス削減目標について、2030年までに「13年比46%減」とする方針を掲げた。2050年までに温室効果ガス排出ゼロの脱炭素社会に向けて、住宅業界においても環境配慮型の住まいが望まれている。省エネ性能の高い住宅をつくる住宅建築業界の責務が大きいことは言うまでもない。また、流通の過程では不動産業界が住宅消費者と直接向き合うため、住宅建築業界との連携を含めて、住宅の省エネ性能に関して分かりやすく説明できるかなど、その役割が重要になってくる。

全体の責任は国土交通省に

 2021年8月23日、国土交通省と経済産業省、環境省の3省で構成される検討会は「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策などの在り方・進め方」を取りまとめた。国は、社会資本整備審議会で審議のうえオーソライズし、カーボンニュートラルに向けた規制や支援策を加速することになる。この検討会は、河野太郎規制改革大臣が縦割りでなかなか進まない住宅の省エネ化にしびれを切らしたかたちで立ち上げたもので、4月の第一回からリアルタイムでYouTube動画配信されて話題になった。

 「取りまとめ」を読み進めると、「国土交通省の役割」として「国土交通省は省エネルギーの徹底、再生可能エネルギー導入拡大に責任を持って主体的に取り組む・・・」と記されている。何気ない一文だが、これには大きな意味がある。

 理解を促すために国の縦割りを解説しよう。これまで太陽光発電などの「創エネ(エネルギーを創り出す)」は、資源エネルギー庁(環境省)が所管していた。またハウスメーカーの省エネ住宅や、住宅建材(高断熱サッシュ、断熱材、高効率給湯器等)の普及支援は、産業振興と捉えられて経済産業省が所管している。

 そのため、住宅の省エネや創エネに関する補助金など国の支援制度も、3省がそれぞれ行っていた。この縦割りによって、住宅を省エネリフォームする際には、各省の補助制度を把握・理解して申請する必要があったり、必ずしも制度間の整合性が取れていないなどの弊害があった。 これが、住宅産業を所管する住宅局を抱える国土交通省が、全体の責任を持ち取り組むことが明記された意議は大きい。

 脱炭素に向け省エネ・創エネ推進を国が急加速(下)へ続く

2021/9/29 不動産経済Focus &Research

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