三井住友トラスト基礎研究所は25日、Jリート全銘柄の公表データの蓄積と継続的な分析を基にした「Jリートレビュー」の20年上期(1~6月)を公表した。対象銘柄の中央値でみた分配金の成長率は前年同期比3・2%のプラスとなり、19年下期の成長率(+3・6%)をやや下回った。売却益の剥奪や減少により、成長率マイナスや成長率鈍化の銘柄が増えた。ただし、新型コロナウイルスの影響でマイナス成長となった銘柄は限られるとした。
1口当たりNAVの成長率は前年同期比5・0%のプラスで、19年下期(+4・9%)と同程度。保有物件の鑑定評価額が上昇、プレミアム増資の効果が継続したが、ホテルに投資する3銘柄については鑑定評価額下落でマイナス成長に転じた。不動産売却益は合計177億円で、全銘柄の当期利益総額に占める割合は6・5%だった。内部成長をみると、ポートフォリオのNOI利回りは平均4・9%で、前年同期の5・0%からわずかに低下。複合・総合セクターはコロナによるホテルの賃料収入減少が影響し、4・7%と前年同期(4・9%)から低下した。オフィスセクターは、賃料増額改定により、4・7%と前年同期(4・6%)から上昇した。
外部成長をみると、同期発表の物件取得額は約5600億円。このうち物流施設が45%、オフィスが27%、商業が11%を占めた。取得額の約7割がスポンサー関連からの取得。取得NOI利回りは平均4・5%で、19年下期(4・9%)から低下した。同期発表の物件譲渡額は約800億円で、このうちオフィスが44%、物流施設が21%、住宅が15%となっている。
2020/09/28 日刊不動産経済通信
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