都心オフィスの空室率が6年ぶり4%台
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 オフィスビル総合研究所(今関豊和代表)は、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)における9月末時点のオフィスビルの需給動向を公表した。空室率は前月比0・39㌽増の4・28%と6年ぶりに4%台に乗り、空室率の先行指標となる潜在空室率も0・18㌽増の7・61%と6カ月連続で7%を超えた。三鬼商事が同日公表した調査値でも5区の空室率は0・12㌽増の6・43%と高位だ。

 ビル総研の今関氏は「今後1年半は新規供給が減り、新築ビルへの移転に伴う二次空室も抑えられそうだ。このため潜在空室率の上昇ペースが鈍る可能性がある」と展望している。今関氏は都心5区のオフィス需給について、「幅広い業種で出社率低下に伴う縮小移転や分散したオフィスを統合する動きがみられ、潜在空室率を下げる要因になっている」と分析する。  

 三鬼商事の調査では都心5区では8月から9月にかけての1カ月で空室面積が約9400坪増えた。9月の平均賃料は前年同月よりも1875円安い2万858円。前月比では74円減と14カ月続けて賃料が下がっている。新旧別の空室率は新築が前月比4・51㌽増の15・12%と大きく上昇。既存は0・08㌽増の6・33%だ。

 オフィスビル総研が8月下旬に公表した都心5区における向こう3年間のオフィス需給予測では、空室率は22年の第2四半期(2Q)に4・8%まで高まるとしている。その後、12万坪超の床が供給される23年1Qに空室率は5・2%で天井を打ち、24年2Qに4・4%まで下がると展望している。(日刊不動産経済通信)

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