日鉄興和不動産は、新築分譲マンションを集約販売する常設サロンを東京・上野に9日開設する。床と壁2面の計3面に特大LEDパネルを設置し、あらゆるマンションの間取りを実寸サイズで映し出し、眺望も含めて疑似体験できる「3次元シアター」を導入したのが特徴。従来のモデルルームでは伝えにくかった住戸ごとのリアリティある空間イメージを伝える。同サロンではまず、城東・城北エリアのコンパクトマンション6物件を販売していく。
3次元シアターは、床のLEDパネルが6・5m×3・5m、壁のパネルの高さが約2・4m。表示する映像には物件・階層ごとの眺望画像も埋め込んでいる。3面のLEDパネルに囲まれると没入感が生まれ、実物件に近い空間のイメージが持てる。データさえあれば、あらゆる間取りを表示可能なため、複数物件の販売もしやすい。導入費用は数千万円の模様。隣室にはファミリータイプのリビングや寝室などのコンセプトルームを併設。物件模型もデジタル化した。
購入したい物件が固まっていないような検討熟度の浅いエンドユーザーが気軽に来訪できるよう、具体的な営業は行わず購入プロセスの説明などを行うコンシェルジュを配置する。同社は分譲マンションのオンラインストアを7月に開設し、申し込みに至った住戸もあるが、「実際に見てみたい」というニーズもあり、同サロンでサポートしていく。
モデルルームを集約することで建設コストを圧縮し、その分をデジタル技術の導入費用やポイント付与などで顧客への還元に充てる。販売拠点の一元化によって、検討物件の中広域化傾向にも対応できる。(日刊不動産経済通信)