上場大手デベロッパーの22年3月期第1四半期連結決算が12日、出そろった。主力のオフィスビル事業は堅調。空室率は過去最低だったコロナ前と比較すれば上昇はしているが、現状でも低水準を維持。住宅事業は好調が続き、商業施設などコロナ禍の影響が特に大きかったアセットタイプも業績に回復傾向がみられた。
 オフィスビルなどの空室率は、▽三井不動産4・7%(単体オフィス首都圏、前期末3・1%)▽三菱地所2・49%(丸の内事務所、同2・50%)▽住友不動産3・5%(同2・8%)▽東急不動産ホールディングス1・0%(賃貸オフィス・賃貸商業施設、同1・3%)▽東京建物3・3%(21年12月期第2四半期、第1四半期は3・4%)▽野村不動産ホールディングス5・3%(オフィス・商業施設、前期末5・1%)。既存オフィスの一時的な空室率上昇が生じた三井不動産を除くと、空室率は直近では横ばい、またはやや低下しているところが多い。
 現状では「大きなフロアの解約はあまりなく、数十坪から200坪程度の解約は出るが埋め戻しはできている」(東京建物)。コロナ禍でも業績が好調な業種はあり、そうした企業の入居によって空室の長期化には至らず、館内増床や拡張移転の動きも継続している。今のところ、平均賃料の低下傾向もみられない。
 分譲マンション販売は引き続き好調だ。1戸当たりの単価上昇は続いており、粗利益率も高水準。東京建物の粗利益率は28・6%(前年同期22・9%)に上がった。商業施設やホテルも前年同期と比べ業績は回復している。(日刊不動産経済通信)

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