国土交通省は、20年度のマンション管理業者への全国一斉立ち入り検査の結果を公表した。20年度は全国85社(前年度145社)に立入検査を行い、27社(61社)に是正指導を行った。

 20年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、緊急事態宣言により一部の検査実施がとりやめになるなどしたため、例年に比べ立入検査の実施数が減少している。是正指導社の割合は31・8%だった。前年度の42・1%より減少したものの、一部のマンション管理業者にはマンション管理適正化法の各条項への理解不足がみられた。

 適正化法の条項ごとの是正指導社数は以下の通り。①管理業務主任者の設置=2社(前年度2社)②重要事項の説明等=18社(38社)③契約の成立時の書面の交付=9社(34社)④財産の分別管理=6社(14社)⑤管理事務の報告=6社(27社)。是正指導が最も多かった「重要事項の説明等」では、契約更新前に区分所有者等全員に対して重要事項説明書を交付していない事例や、新規契約で重説書に必要な事項の一部を記載しないまたは事実と異なる記載をしている事例が目立った。是正指導事項別の指導率を前年度の結果と比較すると、概ね減少傾向ではあるが、「重要事項の説明等」の指導率は21・2%(前年度26・2%)で、他の項目に比べて高くなっている。  

 今回是正指導を受けた27社の中には、マンション管理業協会の会員も含まれていた。国交省は同協会に対し、法令遵守の徹底を図るための研修活動等を推進するなど、マンション管理業の適正化に向けた指導を要請した。21年度も感染防止に配慮しつつ、継続的な立入検査の実施に努める方針。(日刊不動産経済通信)

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