国税庁が1日に発表した、2021年分の路線価(1月1日時点)によると、全国の平均変動率は前年比△0.5%となり、6年ぶりに下落した。都道府県別でみると、上昇したのは福岡、宮城、北海道など7道県のみ。39都府県が下落となった。東京は△1.1%、大阪が△0.9%でともに8年ぶりに下落。中でも商業地の下落が目立ち、東京都中央区は△7.0%、大阪市は△8.5%と下落が目立つ。特に大阪・ミナミにある大阪市中央区心斎橋筋2(心斎橋筋)の地点は、△26.4%と、全国最大の下落率となった。他にも飛騨・高山などインバウンドの影響が色濃い地点での下落が目立った。
東京国税局各税務署管内(東京23区、多摩地域、神奈川、千葉、山梨)で最も上昇した地点は、横浜市神奈川区鶴屋町2(鶴屋階北側、+7.0%)。続いて千葉市中央区富士見2(千葉駅前大通り、+3.5%)、市川市八幡2(本八幡駅前通り、+3.4%)など、インバウンドや観光需要の影響が少ない、郊外の商業集積地が上位に並んでいる。反対に1都3県で最も下落したのは、台東区浅草1(雷門通り、△11.9)。中央区銀座5(銀座中央通り)は△7.0%で、人の移動の制限の影響が如実に出た。