<超高層マンション市場動向２０２１>　21年以降全国で280棟・11万戸弱完成－不動産経済研究所

　全国で2021年以降に完成を予定している超高層マンション（20階建て以上）が約11万戸に達することが不動産経済研究所の調べで分かった。全国で計画・建設中の超高層マンションは2021年3月末現在で280棟、10万9908戸。前回調査時（2020年3月末時点）に比べて77棟・2万5306戸増加した。圏域別では首都圏が173棟・8万1825戸、近畿圏が46棟・1万4826戸などとなっている。

　首都圏は173棟・8万1825戸で、全国に占めるシェアは74.4％（前回調査時79.7％）。前回調査時よりも30棟・1万4362戸の増加。そのうち東京23区内は118棟・5万9297戸で、全体の54.0％（前回57.6％）を占める。
　近畿圏は46棟・1万4826戸で、前回調査時に比べ24棟・6952戸の増加。近畿圏のシェアは13.5％（前回9.3％）。大阪市内は31棟・9911戸（シェア9.0％、前回5.8％）。
　その他地区では福岡県10棟・3055戸（シェア2.8％、前回3.4％）、北海道9棟・2298戸（シェア2.1％、前回2.2％）、愛知県7棟・1337戸（シェア1.2％、前回0.9％）、宮城県5棟・992戸（シェア0.9％、前回0.5％）、岡山県2棟・803戸（シェア0.7％、前回0.9％）など。

　◆首都圏173棟・8万1825戸　東京23区内118棟・5万9297戸

　首都圏で21年以降に完成が計画されている超高層マンションは173棟・8万1825戸。地域別では東京23区118棟・5万9297戸、都下10棟・4421戸、神奈川県22棟・9958戸、埼玉県11棟・3429戸、千葉県12棟・4720戸。完成予定年次は21年26棟・8587戸、22年20棟・9781戸、23年29棟・1万3172戸、24年17棟・7086戸、25年以降81棟・4万3199戸。

　◆近畿圏は46棟・1万4826戸　大阪市内31棟・9911戸

　近畿圏で21年以降に完成が計画されている超高層マンションは46棟・1万4826戸。大阪市内31棟・9911戸、大阪府下7棟・2147戸、兵庫県6棟・1820戸、京都府2棟・948戸。完成予定年次は21年9棟・3622戸、22年10棟・2448戸、23年12棟・3265戸、24年7棟・2934戸、25年以降8棟・2557戸となっている。

　◆福岡では10棟・3055戸

　その他の都市では、福岡県10棟・3055戸、北海道9棟・2298戸、愛知県7棟・1337戸、宮城県5棟・992戸、岡山県2棟・803戸、愛媛県3棟・584戸、岐阜県2棟・530戸、広島県4棟・504戸、茨城県2棟・394戸、長崎県2棟・372戸、栃木県3棟・371戸、群馬県2棟・353戸、福島県2棟・300戸、熊本県1棟・230戸、鹿児島県1棟・210戸、富山県1棟・200戸、静岡県1棟・194戸、山形県1棟・171戸、大分県1棟・170戸、青森県1棟・99戸、香川県1棟・90戸　となっている。

　◆超高層マンション供給の動向

　直近のボトムは2011年。東日本大震災の影響で東北・関東地方などで一部の物件に竣工の遅れなどが生じ、4646戸減の1万3321戸だった。2012年で1万6060戸に増加、2013年には再び湾岸部などで大規模物件が竣工し1万8022戸と更に伸び、2015年には2009年以来の高水準となる1万8821戸に達した。しかし2016年は34棟・1万2104戸に落ち込み、2017年も1万1373戸に減少、2018年も1万1356戸に減少。2019年は1万7039戸と4年ぶりに増加したが、2020年は29.6％減の1万1991戸と再び減少した。今後は、東京都心部や湾岸エリアを中心に超高層大規模開発や複合再開発プロジェクトなどが数多く控えているため、2021年は1万5000戸弱、2022年には1万6,000戸を上回り、2023年には2009年（3万5607戸）以来14年ぶりに2万戸を突破する見込み。

　◆50階以上の超超高層計画