戸建て分譲事業を手掛ける独立系企業3社が国産材の活用拡大に乗り出した。三栄建築設計とオープンハウス、ケイアイスター不動産が初めて公式に手を組み、13日に「一般社団法人日本木造分譲住宅協会」を立ち上げた。国産材は輸入材に比べ輸送時間が短く、材料加工の際にも二酸化炭素(CO2)排出が少ないため脱炭素化に有利とされる。新団体は東北の山林で植林・伐採を独自に行ったり、林業系の団体と連携したりして調達を合理化し、国産材の採用を増やす。
国内で大きなシェアを持つ3社が連携することで住宅市場に影響がありそうだ。立ち上げ当初の会員は3社だが、同業や他業種の企業らを呼び入れ全国組織を目指すという。将来的に、人材育成を目的とする資格認定制度や、製品の性能水準を保つための認証制度を作ることも視野に入れている。
13日に東京都内で報道陣に団体設立の狙いや事業方針などを説明した。組織化を働き掛けた三栄建築設計の小池信三社長によると、建売住宅への国産材活用を狙いとする業界団体が作られるのは国内で初めて。当面は生産者らとともに国産材を効率的に調達・供給する体制を作る。3社は丸太にして年に合計約3・3万本分の国産材を住宅商品に使っているといい、共同調達などで利用本数を増やす。
国産材の採用比率は各社で異なるが、段階的に100%に近付ける。三栄建築設計は今年2月、国産材使用率97・4%を達成した分譲住宅を東京・府中市に完成させた。ケイアイスター不動産は8日、子会社が展開する規格型平屋注文住宅商品の部材をすべて国産材に切り替えると発表した。(日刊不動産経済通信)
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow 不動産経済研究所/不動産経済オンライン