マンション管理協、IT総会の開催へガイドライン 区分所有法で法解釈の明文化を提言
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マンション管理業協会は、I Tを活用した総会の開催が円滑に進むよう、実施方法などを示すガイドラインを作成するともに、法的な課題などへの対応を求める報告書をまとめ国に提言した。コロナ禍で対面式の総会開催をためらう管理組合が多かった中、ITによる開催の考え方をガイドラインで整理。適正な実施には法律などでも考え方を明確にする必要があるとし、区分所有法での解釈の明文化や標準管理規約の整備などを提言している。

 管理協は9月から「ITを活用した総会の在り方検討会」(座長=鎌野邦樹・早大法学学術院教授)を立ち上げ、有識者や管理会社の担当者、オブザーバーに国土交通省と法務省の担当者を交えて考え方を整理してきた。その中で、総会と理事会のそれぞれで、オンラインのみの開催とリアルとオンラインの併用による開催の2パターンについて考え方や法的・実務的の論点を議論。その内容をガイドラインや報告書にまとめた。
 ガイドラインでは、総会にITを活用する場合の、①オンラインで出席した区分所有者の出席と議決権行使の取り扱い、②オンライン出席者の本人確認の方法、③オンラインで出席した区分所有者の発言の取り扱い、④通信障害への対応-の4点について、考え方と具体的な取り扱い方を示した。オンラインオンリーでの開催と、併用型のそれぞれについて提示した。
 併用型の総会では、リアル集会の開催場所と各区分所有者の間で情報伝達の双方向性と即時性が確保されていれば出席、議決権行使とも可能とした。議決権行使の方法は事前に管理組合内で協議しルール化しておくことが望ましいとし、画面を通じた挙手や、チャット機能を活用し発言記録を残す方法などが挙げられている。本人確認はリアル集会と同様に招集通知を所持していることで確認するほか、電子署名やあらかじめ付与したパスワードの入力などを挙げた。
発言の方法は、時間の制約や発言者ごとの意向が確認しにくい点などを踏まえ、事前の方法の周知などが必要とした。通信障害は、オンラインでの参加者の大半が通信不能であれば総会をやり直すこととしたほか、一時的に不通となった参加者は、参加可能となった時点から審議参加を可能とするなどの方法を示している。
 オンラインのみでの総会開催では、開催場所について区分所有法では特段の明示の定めはないと記載し、開催方法は招集通知で明示すべきとした。参加にあたっては、なりすましを防止するために建物の目立つところにオンライン総会のURLを示し、参加の連絡があった際にIDやパスワードを知らせるなどの方法も示している。
 一方、報告書では、総会と理事会でITを活用する場合の法的・実務的の両面から今後の論点となる点を指摘した。理事会に関して、管理組合がオンラインでの参加や議決権行使を認める場合は管理規約での規定が必要となると提起。また、オンラインのみで理事会を開催する場合についても、開催方法についての規定を管理規約に盛り込む必要があると指摘し、これらに対応するためにも標準管理規約への反映が必要と位置付けた。総会については、ガイドラインで考え方を示した4点を論点として改めて記載した。
 また今後の対応に向けての提言では、総会はオンラインで出席する区分所有者の議決権行使の取り扱いや、管理者等による年1回の「事務報告」の取り扱い、オンラインで開催する際の招集手続きについてを論点に挙げ、区分所有法や標準管理規約での法解釈の明文化が必要と記載した。理事会については、現在の標準管理規約ではITを活用した開催は限定的な手段としての位置づけにとどまっているとし、オンラインで開催する場合の規約モデルや議決権行使、招集手続きについて標準管理規約で明示するよう求めた。

月刊マンションタイムズ 2021年1月号

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