(提供:日刊不動産経済通信)日鉄興和不動産はオフィスや商業、ホールなどで構成する東京・港区の高層複合ビル群「品川インターシティ」のリニューアルに乗り出す。4日に現地で三輪正浩社長が会見し明らかにした。11月に開業25周年を迎えたのを契機として、来年以降に店舗の入れ替えや共用部の改修、創業支援イベントの実施などを検討。コロナ禍による働き方の変化も踏まえ、オフィスだけでなく飲食や娯楽、創業支援など多様な機能を充実させる。三輪社長は「品川を通過点ではなく滞在してもらえるような街にしたい」と強調する。
ビルはA、B、Cの大きく3棟で、オフィスを中心として低層階に飲食店やホールなどが入る。オフィスには情報通信などテック関連の企業が多い。三輪社長は「コロナ禍で相当な数のテナントが抜けたが、この1年で増床移転などが増え、現状ではほぼ満室に戻った」と話す。開業以来初めてとなる大掛かりな刷新では「つなぐ、つながる」をコンセプトに掲げ、オフィス以外の機能も充実させる。ビル群の南側にある約9000㎡の緑地帯「品川セントラルガーデン」では電飾とXR(拡張現実)技術を使ったイベントや先端技術の展示会などを企画。27年度以降のリニア中央新幹線開業も見据え、玄関口としての機能を強化する。
駅周りでは京浜急行電鉄やJR東日本、URらが駅舎の改築や市街地再開発事業などを進める。日鉄興和不動産も駅南側の品川浦周辺地区で三菱地所らと大型再開発を手掛けているほか、26年には34階建てで総戸数815戸の高層分譲マンション「リビオタワー品川」を竣工させる。品川浦の再開発ビルに宿泊機能を配置する可能性もあるという。