(提供:日刊不動産経済通信)野村不動産は、新築分譲マンションに40㎾以上の太陽光発電設備を低コストで設置したり修繕負担を減らしたりできる新たなスキームを実用化した。パネルの設置や運用、管理などを内製化することで必要経費を圧縮する。野村不動産パートナーズが太陽光発電設備の保有者として維持管理を担い、居住者の費用負担と手間を軽減する。今月販売活動を始めた千葉県浦安市の「プラウド新浦安パークマリーナ」(総戸数218戸)にこの手法で発電出力112㎾の発電設備を入れる。首都圏を中心とする自社の新築マンションに展開する。
マンションを設計する段階から両社で連携。適切なパネルの配置を考え、設備の保有や購入後の維持・管理などを自社グループで行うことで初期費用と維持費を減らす。野村不動産が開発する「プラウド」シリーズなどの建物管理と発電設備の維持管理の両方を野村不動産パートナーズが担当する。野村不動産グループの一括受電スキーム「enecoQ(エネコック)」で共用部と専有部に太陽光発電の電力を使えるようにする。非常時の停電を回避できるよう蓄電池も置く。
この仕組みを採り入れる浦安のマンションは10月に販売を始める。JR京葉線と武蔵野線の新浦安駅から徒歩21分の立地。3つの街区に分かれ、建物はいずれも4階建て。間取りは3LDK、4LDKで専有面積80~120㎡。来年7月以降に竣工する。
野村不動産は太陽光発電を戸建て住宅にも展開している。全16区画に太陽光発電を搭載した「杉並宮前プロジェクト」に昨秋着工した。東京電力エナジーパートナーの太陽光PPAサービスを活用し、初期費用をなくした。首都圏で供給する分譲戸建て住宅の7~8割に当たる年間300戸に導入する計画という。