(提供:日刊不動産経済通信)東急不動産とNTT(日本電信電話)、NTTドコモは7日、光技術で大容量のデータを高速伝送するNTTの先端技術「IOWN(アイオン)」を渋谷圏の街づくりに活用することで合意した。11月に竣工するオフィスや住宅、商業などの複合開発「渋谷駅桜丘口地区市街地再開発事業(シブヤ・サクラ・ステージ)」など、東急不動産が渋谷で開発・運営する不動産に次世代通信を取り入れ、街全体の環境性能やビジネスの生産効率を底上げする。同社らによると街づくりにIOWNを導入するのは世界で初めてだという。
渋谷エリアを大きな実証フィールドと位置付け、NTTらが「IOWN」サービスの実用化第1弾として3月に提供を始めた「APN IOWN1・0」などを応用した街づくりを検討する。IOWNは大きなデータを高速かつ低遅延で送受信できる点が特長で、医療や自動運転、データセンターの運用など多様な用途が見込まれている。NTTは将来的に電力消費量を現行の100分の1に減らすとともに125倍の大容量データをやり取りできるようにする計画で、実現すれば都市を運営するあり方が大きく変わりそうだ。
例えば、IOWNサービスで国内外の複数のオフィスをつなげば、高画質かつ大画面で自動翻訳による言語の壁を越えた臨場感のある会合が可能になる。商業施設やホテルなどで複数のロボット・デバイスを効率的に稼働させることもできる。住宅などでの活用も想定される。東急不動産は再生可能エネルギー事業や保有不動産の環境負荷低減に取り組んでいる。IOWNを街づくりに採用し、「環境経営」をより広くアピールする。