トップインタビュー・西田美和・スカイコート社長 リノベーション事業強化へ専門組織新設  ―分譲1千棟と売上2百億円が当面の目標
西田美和・スカイコート社長


  

 ―マンション事業の環境をどうみる。
 西田氏 6月以降に反響数と売れ行きが戻り、7月以降の契約戸数は前年実績を上回るほどになった。上期に販売した物件はほぼ完売している。反響を分析すると新規の顧客が増えており、そうした需要を狙って参入する企業も増えている。需給両方の目が投資用ワンルーム(1R)マンション市場に向いている。

 ―新規顧客の属性は。
 西田氏 有名企業に勤める比較的高年収の30、40歳代が多い。顧客の高齢化が進み、若い世代にどう訴求するかが経営課題だったが、新型コロナを契機として結果的に若返りが進んだ。景気悪化で副業を認める企業も増え、不動産投資を始める敷居も下がっている。

 ―特に都内では土地の仕入れが難しいようだ。
 西田氏 土地の価格と建築費が高止まりしている。コロナの影響で下がるどころか過熱感さえ感じられる。各社が都心の土地を狙っており、動向を注視する。

 ―仕入れの戦略について。
 西田氏 従来通り「都心・駅近」を狙う。コロナ禍で郊外に目を向ける消費者が増えているという報道を見聞きするが、現場の肌感覚ではそうした傾向をさほど感じない。都心の土地価格が高止まりし、仕方なくエリアを広げているのが実情ではないか。投資用物件はやはり都心・駅近が主流だ。コロナの影響で都心から少し離れて賃料負担を減らしたいという借り手の需要は確かにあるが、今のところ1R物件は在宅勤務の利用をメインに考えていない。

 ―不動産市場をどう展望する。
 西田氏 企業の転勤が減ったせいで今年前半に法人需要が落ち込み、マンスリーマンションの空きが前年に比べ1割ほど増えた。だがそれらは好立地の物件が多く、一般賃貸に転用すれば収益確保につながる。

 ―リノベーション部門を強化している。
 西田氏 当社から購入した物件を買い替えたいという相談がある。それらを当社が買い取って再生する取り組みだ。専門組織も作った。フルリノベーションで付加価値を高め、月額賃料を2万5000円上げた実績もある。当社の販売済み物件は延べ3万4000戸を超えたが築30年以上のものも増えつつある。他社から買ったファミリー向けマンションを改修したいという依頼も受けている。リノベ部門をさらに拡充する。

 ―リノベ部門を成長させる道筋は。
 西田氏 当社の物件にはかつて多用された「3点ユニットバス」のタイプもあるが、今は不人気だ。入居者に選ばれる物件にするためオーナーに改修を積極的に提案する。充実したネット環境を望む入居者も増えており、設備投資を重視するとともに、IoT対応住宅の供給を予定している。フィギュアスケートの髙橋大輔選手と提携する「D-color(カラー)」プロジェクトの第2弾としてリノベ事業の発表も準備している。

 ―新規事業を立ち上げる考えは。
 西田氏 オーナーの物件売却を当社が仲介する枠組みを作る。売却益を別の1Rや1棟ものに充てたいという相談にも乗る。多様な相続税対策の需要に応えられるよう小規模な土地も今後は仕入れる予定だ。


 ―事業の目標について。
 西田氏 942棟のマンションを分譲した(11月10日時点)。数を追うわけではないが分譲棟数1000棟と売上高200億円の達成は1つの目標になる。当社の販売済物件は3万4000 戸を超えたが、築30年以上の物件も増えつつある。他社から買ったファミリー向けマンションを改修したいという依頼も増えている。リノベ部門をさらに強化していく。


2020/12/01 日刊不動産経済通信の掲載記事に一部追記

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