森トラ、奈良にマリオットと高級ホテル―将来の増築視野、訪日客利用は5割目標

(提供:日刊不動産経済通信) 森トラストは1日、奈良市の奈良公園西端に建設中のホテルを、自社ブランド「翠SUI」とマリオット・インターナショナルの最高級カテゴリである「ラグジュアリーコレクション」のダブルブランドにする方針を表明した。1期施設は今年2月に着工。新棟のほか、複数の歴史的建造物をパーティー会場などに改修し、来夏に8棟43室を開業する。敷地は3万500㎡と広く、将来的な増築を視野に入れている。
 1日に伊達美和子社長が都内で会見し、事業戦略を説明した。ホテルの名称は「紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良」。同社が奈良県にホテルを作るのは一昨年開業の「JWマリオット・ホテル奈良」に続き2軒目で、「翠」ブランドでは京都、沖縄宮古に続き3軒目。奈良県の官民連携事業「吉城園周辺地区保存管理・活用事業」の一環で新築と既存建築、和と洋の要素を融合させたホテルを建てる。開発地は奈良市登大路町55ほか。春日大社や東大寺などの世界遺産に近く、国内外からビジネスと観光両方の需要を見込む。
 先月11日に外国人の入国制限が解かれ、国内の多くのホテルで訪日客の予約件数が増えている。新設する奈良のホテルは当面、訪日客の利用比率5割を目指す。会見で伊達社長は「奈良が海外から注目され、地域の観光を楽しんでもらう突破口になる」と自信を見せ、「翠」ブランドの出店について「やってみたい場所は他にもある。(過去の3施設と)同じ事業スパンで次の施設も検討したい」と意欲を示した。
 奈良の施設は2階建てで延床面積4411㎡。設計は大成建設、建築設備設計研究所、隈研吾建築都市設計事務所、施工は大成建設ときんでんが手掛ける。

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